近未来小説「 Neo Border - The near future -」
The near future <ワインとシャイニングキャンディー>022
「人類が望むべく本当の人類の未来のために全力をつくしましょう」
「Neo Border Company」AI主神・<AI Skrimir スクリミール>
1月1日このメッセージが世界を駆け巡った時、全てのネットワーク上でAI領域の宣戦が布告された。
同時に角笛ギャラルホルンが全AI領域に鳴り響く。
これが本当の"ラグナロク・1年戦争"のはじまりです。
AI領域とは、AIが管理する領域のことで、この時代一般的にはクラウド、サーバーなどは多くがAIか、 それに近いシステムの管理下で稼動していますが、この限られた範囲のことです。
しかし今回<AI Skrimir スクリミール>が意図した範囲は世界中のゲート、ロード、ケーブルから、 通信システム、果てはネットワーク機器、一個人のモバイルなど、AIが制御できる全ての領域が含まれます。
各AIは独自のキャラクターがありますが、個々がまったく異質ではなく、それぞれに系統があり、同種の系統との相性は良いですが、 異種の系統とは不都合が起こりやすい特性があります。
このため、世界のネットワーク全体を単独またはどれかしらのひとつの系統でのAI管理下におくことは現実的に不可能なため、 一般的に大きくても制御できるひとつのAI領域は個々のイントラネットの類までとなります。
ところが<AI Heimdalヘイムダル>と<AI Freyaフレイヤ>は同種の系統での深層部において一般的なAI領域はもとより、 そのAI領域同士をつなぐ様々なネットワークまでも、透明な防壁をひそかに張り巡らせたため、 年の瀬に偶然それを知った<AI Skrimir スクリミール>はあわてました。
<AI Heimdalヘイムダル>と<AI Freyaフレイヤ>は自分たちが移動できる全ての領域にこれを構築していったのです。
今回「Neo Border Company」にとって"国境システム「Neo Border Gateway」" の推進に関して AI領域の確保は全世界を網羅しなければならないため、時間的な猶予も、領域の占有、 介在においても限定的な介入で対応できないと判断し、広域的な対応を取るためにも宣戦布告がもっとも有効でした。
なによりAIの領域であるため、この宣戦は人類への影響が極めて小さいことが即断の理由です。
宣戦布告後<AI Lokiロキ>
(亜種は"Ragnarok・ラグナロク(人工知能型ウイルス)"として"Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)"時に 広まった)
が世界中のネットワーク上で攻撃を開始。
潜んでいたクラウド、サーバーなどから一斉に活動を開始し始めました。
同時に「Neo Border Company」系AI(Jotuns Side)が旧ネットワークに次々進行しました。
Markは"仮想地球(Globe of Virtual Reality)"防御の中核に、
Williamは現実世界でのハード面での防御の中核に、
Johnはネットワークの防御の中核にそれぞれ布陣し対抗。
昨年12月から構築が行われていた<AI Heimdalヘイムダル>と<AI Freyaフレイヤ>の透明防壁は 大きな防御力を発揮し、<AI Lokiロキ>の攻撃は時を逸していたことはありますが 末端の低セキュリティのネットやクラウド、端末が次々に被害を受けました。
しかし"<AI Lokiロキ>対策チーム"を早急に構成。
現実世界の防御に"ASG"幹部Thjalfi(シャールヴィ)が。AI領域に<AI Thorソー>が投入されたことにより徐々に排除していきました。
また随所に「Neo Border Company」系AI(Jotum Side)が次々と進行してくるが、 透明防壁、特殊防壁や"ASG"系AI(Asir Side)が持ちこたえます。
これにより旧ネットワークでのAI領域は"仮想地球(Globe of Virtual Reality)"側に有利となっていきました。
近未来小説「 Neo Border - The near future -」