いるかのほし30 遺跡と天使 

かるいいるか

遺跡と天使

 ピラミッドのテレビ番組・・・・。ポコの夫さんアーチャは、よく見ている。重苦しい巨石の間の狭い通路・・・・。褐色の砂漠の風とスフィンクス・・・・・。 熱さと砂ぼこりとタールの色・・・・。ピラミッド・・・・・。ポコには、畏れ多い異質な世界だった。

 そんなピラミッドと天使に、関わりがある?

 ある日、天使が現れて、ピラミッドの秘密を作者に示したというのだ。

 図書館で借りた本は、B4版の大きな本で1冊が350ページの上下巻、ライヤーのオカ先生が言ったとうり、相当に面白い本だった。

 ベルボックルでやんわりと出てくるイメージの中の天使は、この本の中では、とてもリアルに登場した。 天使がひっかかっていたポコ。「これは、なにかあるな・・・。」と思って、分厚い本を一気に読み進んだ。

 作者の前に、ある日本当に現れたという、紫と緑の天使・・・・。(透けていたそうだ・・・・。)どうやら、作者を見込んで、天使は大事な仕事を頼んだようだった。
 天使に言われて、エジプトに飛んだ作者は、天使が言ったとうりにピラミッドの中のある場所を探す。すると、そこには巨石にはっきりと刻み込まれて、太古からのヒエログリフの中に「フラワー オブ ライフ」と呼ばれる幾何学模様が描かれているのだ。

 実際のエジプトの写真が掲載され、どう読んでもウソが書いてあるようにはポコには思えなかった。天使自体は「気のせい」かもしれない、でも、事実大昔からこのあおいほしにある、誰でも知っている遺跡の中に、その天使が探すように言った幾何学模様が存在しているのだ・・・・。ピラミッドの中に、天使が言った模様がある・・・・・。模様が刻まれている・・・・。これは、まぎれもない事実。

 想像上のもの、と思っている天使と、現実に目に見え、大昔からあるピラミッド・・・・・・。想像と現実・・・。現実の中の謎を想像の中のものが、解説する・・・・・。そんなことが、あるのかしらん・・・・・。にわかには、信じられないものの、自分を守っている常識の保護膜を浸透して、ピラミッドに刻印された幾何学模様は、ポコの脳裏にも刻まれるほかなかった。

 「天使も、仙人も、水星人も、みんな、なんやろね~~。目のでっかい小さな宇宙じん以外なら、なんでもいいわ。」
 煮詰まったポコに、ピコはあっけらかんと応答する。
 「でも、ピラミッドは好きやで。一回行ってみたいな。」
 
 ポコとはまた違う意味の現実主義の妹ピコ。ピコとしゃべっていて、ポコはもうひとつ、おもしろいヒエログリフの写真を思い出した。

 「そうそう、そういえば、おもしろいよ。イルカみたいなヒエログリフも写真にあったよ。ペルーの洞窟の壁画にも、ピラミッドのレリーフにも、空気を呼吸する魚みたいな哺乳類が、描かれているんやって。」
 ピコは、もうすぐ夏を過ぎてお得になってきた、ワイハハ島への旅行を計画していたので、興味を持つかな、と話してみたのだ。

 「へえ~~。イルカかあ。イルカもいいけど、ウミガメもいいよなあ・・・・。」
 ・・・・・。旅行は、実際に目いっぱい楽しむ主義のピコ。いまいちよくわからないイルカの情報には、どう反応していいやら、わからないようだった。 


 

いるかのほし30 遺跡と天使 

いるかのほし30 遺跡と天使 

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-02

CC BY-NC-ND
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