スマホ世界の英雄
スマホ世界
「まだ、帰ってこないのかなー」
タケルは兄のスグルの帰りを待っていた。タケルとスグルの年の差は5つあり、タケルが中学二年、スグルは今年から大学生になった。
「ゲーム貸してくれるって約束したのに」
待ちきれなくなったタケルは勝手に借りようと、スグルの部屋に入った。
「あれ? 兄ちゃんのスマホだ」
床にスマホが転がっていた。
タケルは、スマホを忘れて外に出かけることに対して不思議に思ったが、それよりもスグルのスマホゲームが気になった。
前にやらせてくれたゲームが面白かったから、遊ぼうと思い勝手にスマホを操作し始めた。
数多くあるアイコンの中から、目当てのゲームのアイコンを探していると、それとは別に、ドクロマークのアイコンがあって、下に「絶対に押すな」と書かれている怪しいアプリを見つけた。
タケルは迷わずにそのアプリを押した。
その瞬間、スマホの中にタケルは吸い込まれた。
勢いよく地面に叩きつけられ、辺りを見渡すと一面の荒野が広がっていた。
「ここ、どこ?」
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