「死んだと思ったらチャンスタイム突入してたみたい」

死後の世界…
誰もわからないですよね
だから何千年という人の歴史の中で死後の世界というものは常に想像されてきました
私の想像…というよりもこれは望みです

あれ?死んでんじゃねえの?

俺は死んだ
それは確実に死んだ
なぜならはっきりと覚えている
トラックに轢かれて、跳ね飛ばされて頭から落ちて首が折れた

「でも、生きてる」

ここって、ここ?

そう、なぜか生きている
腕も足も頭も首も正常
生きていた
「どうして生きてるんだ?」
そう呟くと後ろから軽快なサンバのリズムと共に信じられないくらいデカイ赤い肌の人間がやってきた
そして…
「おめでとう!チャンスチャンス!チャンスタイム突入だよーん!!」
「チャンスタイム?」
「私の名前は連魔大王!閻魔大王の弟でもあり、死んだ者への救世主だよ!」
「俺、やっぱ死んでんじゃん」
「嘆くな嘆くな!ここは天国でも地獄でもない…チャンスタイムゾーンだ」
「いや、意味がわからない…」
「君は生き返れるんだよ〜」
「なっ!?」
「その代わりある程度この世界でいろんなことしなきゃいけないけどねー」
「待てよ…俺は結構グチャグチャに死んだんだぜ?グチャグチャのまま生き返っても迷惑なだけ…」
「だからさ!私は時を戻せるんだよー!しかも君がここでこのタイミングで死ぬっていう記憶は残したままでね!運命変えれるよ〜!」

運命を変えれる
しかし…
「そうだな…どうせ死んでるし…仮にお前に騙されててもどうでもいいや」
「えー信じてよー」
「信じない方がいざ叶ったら面白いだろ?パチンコみたいなもんさ、俺は信じない」
「ふーん…君はこの世界の名前通り高確ではなく、ただの時短…チャンスタイムだとと思ってるんだねぇ…いい心がけなのかもね」
「人は希望があるから生きられる、でもそれが無くなったら新しく見つけるか死ぬかしかない、でも俺は違う、死んでもいい」
「てか、死んでるよぉ〜」

連魔大王は軽い奴だった

mission1:迷子の子猫

「まずはそうだなぁ…この子を探してきてください!」
この子…猫?
「…猫を探すのか?」
「イエースアイアーム!」
…なんなんだ
こんなことを続けるだけで生き返れるのか?
それなら全然楽じゃないか
「さあ、探してきてください!」
「待てよ…範囲はどの程度なんだ?」
「範囲はこの町、連魔町のみだよ!ミッションは連魔町の中でのみ行われるからね!」
連魔町…まずここは連魔町というのか
「地図とかないの?」
「おお、そうだったね!あげようあげよう」
ふーん…まあまあ広い町だな…
でもここでくすぶっててもしょうがないし
「わかった、見つけたらあんたに持ってきゃいいんだな?」
「そうだね、それでいこうかな」
よーし…待ってろよ過去の俺
助けてやるぜ死んだ俺がな!

「死んだと思ったらチャンスタイム突入してたみたい」

「死んだと思ったらチャンスタイム突入してたみたい」

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2015-05-29

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  1. あれ?死んでんじゃねえの?
  2. ここって、ここ?
  3. mission1:迷子の子猫