なにをいっているかわからない

言葉が頭のなかをぐるぐる回わっている
何回も同じことをくりかえし
もとの地点にもどり
またどうどうめぐりがはじまる

限りなく膨張する鉄の部屋のなかで
言葉がめぐり冷たい壁に反響し
なにをいっているかわからない

部屋に窓はなく
外の音は入らず
内の音は外にもれない

孤立した妄想は現実か
思いは頭で共鳴する言葉のなかにある
外の人はその声を聞きたいけれど
やっぱり聞こえてこない

真実に触れたい
目を合わせ
喉から発する声で空気を震わせて
この鼓膜に響いてほしい

宙に漫然と浮いて
重さと方向性をうしなった
入り組んで絡まった言葉の糸の塊

解きほぐして
その糸で
一つの手袋に編んでほしい
だれでも身につけられる手袋に

なにをいっているかわからない

なにをいっているかわからない

自分ではいいたいことはわかっているとおもってるのだけれど、周りの人は全然わからない?、ということがよくあります。この間の大阪の住民投票も結局そんなかんじでした。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-27

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