片付けられない女
彼女は所謂「片付けられない女」である。
幼稚園の時分に描いた絵や学生の頃の学習ノート。
流行りの廃れた服やら昔の恋人から貰ったプレゼント、果ては通販で買い物をした時の段ボールや緩衝材まで。
とにかく少しでも思い出や再利用の価値があると感じると、捨てられないで溜め込んでしまう。
おかげで彼女の部屋は物に溢れ一向に片付かない。
今も、隣で眠る恋人のことが捨てられずにいる。
愛情と呼べるものもすっかり消え失せ、愛着もない。もはや「要らないもの」となっている。
しかし、彼に恋をし心を躍らせていたあの頃を取り戻せるかもしれない。
ふとした瞬間そう思うと、彼女はやはり捨てられないのであった。
彼女は「片が付けられない」。
片付けられない女
物も気持ちも断捨離が大切ですね。