ごみ箱

 何もかも捨ててしまおうか、教科書もお気に入りのピアスも。
 なんとなく、手放したくなって、そこに投げ入れてみる。
 部屋からすべてのものを取り除いてふとあたりを見回す。
 閑散としていて、頭のなかみたいだ。

 頭痛がする
 気が狂いそうな真空間
 ここにいたら脳が弾け飛ぶだろうか
 
 何もないことに僕は耐えきれないらしい、針音も響かない。
 ごみ箱に入っているのはごみ。
 誰から見ても必要ないものだらけで、僕もそれを生活するうえで
 必要だと感じたことがない。
 ただの紙、ただの加工品。
 白米と少量の野菜と魚があれば生命維持に何の支障もない。
 
 それとも僕の依存
 吐き気が治まらない
 真夜中に聞こえる「僕の所為で死んじゃえばいい」

 何の意味もないから、ないけれど、
 たぶん僕には価値のあるものたちで、
 だけれどもわからなかった。
 僕もごみ箱に入ろうかな。
 
 

ごみ箱

ごみ箱

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-20

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