いるかのほし20 クックとコイン

クックとコイン

 がちゃりんっ ぱささっ・・・。クックの部屋から、音がする・・・・。・・・・!!数えてるのかな、おこづかい。先月は節約してたもんね。ためたらきっと、いいもの買うつもりやね・・・・。ピコは、クックが何を買うのか解っていた。

 ピコには、2人の女の子供がいる。しっかりものの長女がココ。ちょっとお調子者のムードメーカーが次女クック。
 ココは、器用になんでもこなす、まさにその実力プラス、機転の利いた絶妙チョイ辛毒舌で、通う高校で自分の立場を確固たるものにしている。
 クックは、中学1年生。気の合う友達や、程よく賑やかなクラスメートと、気負うことなく楽しく毎日を過ごしている。でも、去年は、いろいろあった。

 クックは、去年、受験勉強のまっただ中に、ある日いきなり眠れなくなった。根が真面目だから、とにかく「公式に当てはめたら答えが出る」、、といいやりかたでは、納得できなくて、ひとつひとつの問題を大真面目に解くもんだから、絶対間に合うはずがなかった。それでも、やろうとして、頭が休む暇を惜しんでいるうちに、眠れなくなってしまった。
 そんなクックの様子を聞いて、ポコは即座に感じた。眠れないって、きっと、自分と同じ体感なんじゃないかな。周りの世界と、自分との、ちょうど程よいテンションが、なぜだか自動調整できなくなってる・・・・・。

 でもね、解決方法の1つ・・・。そう、自律訓練法・・・・!!これが、あるやん。。。ポコは、自律訓練呼吸で、リラックスするとよいからと、話したりした・・・。・・・でも、大人じゃああるまいし、それは、なかなか決定的な打開策には、ならなかった・・・・。母親のピコは、クックを心配して、「なぜ!」と悲しがっていた。

 そんなクックが、自律訓練でなくて、何で、気持ちをらくにするきっかけを得たか・・・。あるひとつの「事件」が、そのきっかけとなったことに、間違いはない。
・・・・・そう、それはコインにまつわるちょっとした、出来事だった・・・・。

 

 

いるかのほし20 クックとコイン

いるかのほし20 クックとコイン

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-20

CC BY-NC-ND
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