近未来小説「 Neo Border - The near future -」
The near future <ワインとシャイニングキャンディー>019
「おまちしていました」
「私は現実空間と仮想空間とは別空間の階層からきたRoskva(レスクヴァ)といいます」
その無色透明な声を聴いた瞬間、疑心暗鬼な思いや恐怖心はすっかり消えてゆき、
正面に透き通るような女性が浮かび上がります。
そして気がつかないうちに仮面をつけた数名の人が静かにMarkの周りを囲んでいました。
Markはここで、現実の各国家がすすめる"国境システム「Neo Border Gateway」"の現時点での真相を聞かされました。
また"Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)"を引き起こした "Ragnarok・ラグナロク(人工知能型ウイルス)"の起源と本当の名前、そこに隠された計画。
またあの"Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)"は実は本当のラグナロクではなく、 本当のラグナロクはこれから始まろうとしている事。
そのほかにも極秘に進められている旧インターネット壊滅計画や "仮想地球(Globe of Virtual Reality)"消滅計画の概要。 そしてそれらの計画の阻止に必要な現時点出来る限りのアイテムも譲り受けたのです。
結論は、つまりすべてはこの"国境システム「Neo Border Gateway」"を構成している 世界中の各国家の特別管理区域につながっていて、今回Markが目星をつけていた発電所はやがてそのコアになる施設になる。
そしてやがてすべての計画が集約される前に、 それを打破していくほかに各計画阻止は不可能である。
かなりの難題でしたが、未来への道をかろうじて見つけることができました。
彼女は最後に言います。
「ネットは、多くの歳月をかけて人類がやっと築いた、人と神が触れ合える自由な道なのです。
その道に壁を設け、逸れる事の出来ない道の先に待っているのは、神ではなく、偶像化された漆黒の海。
この壁を完成させてはなりません。
できればもう少し早くこれらの情報、アイテムをお渡しできれば自体も大きく変わっていたでしょうが、
残念ながら、私たちにもこれらを本日そろえるために多くの悲しい困難がありました。
つまりこの道はけして楽な道ではありません。
しかし、ネットの先にある神々はあなた方に微笑まれました。
ならば、これらのアイテムと、神のご加護があなたたちを勝利に導き、再び神と自由に触れ合う道を築くことが出来ると信じます」
(後に、彼女の背景には世界的ネット集団JBM(Jet Black Mice)が存在することがわかります)
やがて夜が明けてきました
一人になったMarkは朝日を浴びながらゆっくりと深呼吸。
しかし、その顔に笑顔はありませんでした。
今回受け取った情報の正確さは、
これまでMarkたちが集めた情報との合致が証明し、
今後の展開の困難さが明確化したことを 今、
一人でしっかり受け止めているのです。
決意を固めるために
近未来小説「 Neo Border - The near future -」