春の気持ち②

こんにちわー☆
前回の約束通り、少し長めです笑
まえがきの書く内容がなくなってきてるんだよな…笑
これを読んでみて、皆さんなりに推理とかしてみてくださいな笑

ちなみに今回は、椿、美和子、紫月先生は登場していません笑
ささっ!気持ちが変わらぬうちに新しいページを開いて!笑

謎の手紙

「しょーたー!」

「お、聖蘭」

「ごめんね遅くなって」


あれからというもの、私はいつも誰かに見られてる気がする。

そして今日、そのことを幼馴染みの葛西翔太に相談することにしたのだ。


「それで?相談ってなんだ?」

「うん、あのね––––––––」



「––––––––それ、ストーカーじゃねーの?」

「ストーカー!?まっさかー。私がストーカーされるなんて、前までの翔太なら絶対言わないのにー(笑)」

「うっせー!んなに可愛いんだからストーカーもされるだろ…/////」

「ん?なんか言ったー?」

「べ、別に何も言ってねーよ」

「顔真っ赤!!」


翔太と二人でこうして笑う時間は、今の私にとって一番幸せな時間…。

誰にも邪魔されることなく、本当の自分で居られる大切な大切な、貴重な時間なんだ…。
だからこそ、翔太とがいい。


私は翔太が––––––––––好きだから。


「笑うなよ!…ん?」

「…ごめんっ…」

「お、おい、なんで泣いてんだよ!」

「笑いすぎちゃった…。あははっ☆」


なぜか涙が止まらない。

ううん、なぜかってことはわかってる。
わかってても、わからないふりをしてるだけ。


翔太は、そんな私のことなんてお見通しみたいで、黙って抱きしめてくれる。

あーもう…余計涙出てくるじゃん…。
私が泣いてる原因翔太なのにっ……。


翔太には、年下の彼女がいる。

可愛くて、優しくて、おっとりしてて、でもしっかりしてる。

笑う時にできるえくぼは、その子の可愛さを一段と引き立たせていて…。


「私なんて叶わないよっ……」

「え?」


そう。私なんて………。

しまった!口に出してしまったっ…。


「叶わないって?」

「あ、その…ゆ、夢!」

「夢?」

「うん、そう!夢!」

「??」

「翔太は、彼女が欲しいって夢を叶えたでしょ。でも私は彼氏が欲しいって夢を叶えてない。……私の夢なんて叶わないよ」


涙はいつの間にか止まっていて、鼻声で喋っている私。

目の前ではポカンとしたまま動かない翔太。


「いいの!そのうち叶えるから。彼女とお幸せにね」


私は、肩に乗ったままの翔太の手を振り切って走り出した。

あぁ…終わったな––––––––。

わけわかんない、うっとうしい女だと思われたんだろうな。

だって追いかけて来ないもんっ……。


すると前方から、今一番会いたくない人が来た。


「あ、こんにちわ!聖蘭先輩っ♡あの、翔…葛西先輩みませんでした?」


翔太の彼女、遠寺美緒ちゃん。

美緒ちゃんは、私と翔太が幼馴染みだってことは翔太から聞いてるらしいけど、翔太と美緒ちゃんが付き合ってるのを私が知ってることは知らないらしい。


「あ、さっき見たよ。屋上の倉庫。」

「そんな所で何してるんだろう…。あ、ありがとうございました♪」

「うん」


私がその場を足早に立ち去ろうとすると、勘が鋭い美緒ちゃんが私の腕をつかんだ。


「そーいえば私、屋上の行き方知らないんですー。…案内してくれません?」

「え…」

「え?案内嫌ですか?それとも…葛西先輩と何かありましたか?」

「あ、ううん…。行こっか」

「はい!お願いします♪」


ここで拒否すれば、確実に怪しまれる。

というより、もう怪しまれてる。


「ここだよ」


屋上につき、倉庫の前まで案内する。

中から物音が聞こえるってことは、たぶんまだ翔太は中にいるんだ。


「ここかー!ありがとうございました♪あ、それと…」

「ん?」

「なんで葛西先輩がここにいるって知ってたんですか?ここ、屋上の倉庫で個室ですよ?しかもドアからは死角になって中に入る人影もドアからは見えない。見えるとしたら…倉庫の前か倉庫の中にいたってことになりますよね?」

「え…っと…ここ、好きなの。たまに空気吸いに来てるんだ…」

「へー!そうだったんですか!今度からは私も誘ってくださいよ!」

「わ、私、1人になるためにくるから…」

「へー」


そんな会話をしているうちに、中から翔太が出てきた。

うっ…気まず…。

案内終わったらすぐ戻るつもりだったのに、余計な話しちゃったせいでばったり会っちゃった…。


「しょ、翔太、美緒ちゃんが何か用があるみたい。頼られてるんだね、葛西先輩♪あはは…」


無理に笑ってみようとするけど、余計に顔が引きつってしまう。


「美緒…ちゃん、ごめんな、後ででもいいか?」

「えー、どーしてですかぁ?」


手を前に組み、体を左右に揺らす美緒ちゃん。

はぁ…。翔太、まさか私と話するとか言い出さないよね…。


「職員室に呼ばれてんだ。な、陽菜」

「へ?」


美緒ちゃんの前では、翔太は私のことを陽菜と呼んでいる。

私が首をかしげると、口パクで『合わせろ』と言ってくる翔太。

そっか……。陽菜って呼ぶのも、職員室の事も、私のことを考えて……。

でももう、翔太や美緒ちゃんに迷惑はかけない!

「私は呼ばれてないよ?それに、カサイも翔太のことじゃないよ?笠井くんのことだと思う」

「え?陽菜…?」

「ごめんねー、翔太の勘違いだからゆっくり話していいよ♡翔太、美緒ちゃんの話しっかり聞いてあげなよ?」

「え、あ、ちょ、陽菜!!」


名前を呼ばれる前に屋上を出ていた私には、翔太の声は届かなかった。


翔太side

「え、あ、ちょ、陽菜!!」

聖蘭がどこかへ行った後、俺は倉庫の片付けをしていた。

その片付けが終わり、倉庫を出てばったり遭遇したのは、さっきどっか行った聖蘭と、彼女の遠寺美緒。

そして、美緒は俺に話があるらしい。

俺は聖蘭が気まずいだろうと、職員室に呼ばれているという嘘をつき、聖蘭にも合わせるように口パクした。

しかし、聖蘭は俺の勘違いだと言い、美緒の話を聞くように念を押してからまたもやどこかへ行ってしまったのである。


「翔太くん、そんなに聖蘭先輩が心配なの?」

「っ…」

「だったら行けば?彼女の私より、ただの幼馴染みの陽菜聖蘭の方が心配ならね。」

「…………」

「答えてよ!どっちの方が心配なの?!」

「答えられない!そんなの選べるわけないだろ!」

「え…?」

「俺にとって、美緒は確かに彼女だ。でも陽菜は…聖蘭は彼女くらいの大切な存在なんだよ。かと言って美緒を見捨てたくはない。どっちも、俺にとって大切なんだよ!」

「じゃあ…陽菜聖蘭のことも好きって事?」

「…そう…だ…」

「そんな!私だけを愛してよ!翔太くんの彼女は私よ!?」


抱きついてこようとする美緒を、俺は離した。

正直言うと、美緒と付き合ってるのは本気じゃないし、自分が好きだからでもない。


いつも俺の事を心配して、彼女候補も探してくれてた聖蘭。

自分の事は後回しで、俺の事を最優先にしてくれていた。

彼女作ったら、聖蘭も安心して自分の事を考えてくれると思っていた。

そんな時だったんだ、美緒に告白されたのは。

最初は断ろうと思った。その時から俺は聖蘭のことが好きだったから。

でも、そんな聖蘭の事を考えると、早めに彼女を作った方がいいと思った。

聖蘭は好きな人がいるって言ってたし、叶わない恋ばっかしてても聖蘭が苦しむだけ。

だから俺は–––––––––美緒の告白をOKした。


でも、よくよく考えてみればおかしいもんだ。
好きでもない奴と付き合っても、さらに聖蘭を苦しめるだけだった。

でも今さら別れようなんて言えない。

別れるうまい理由が思いつかない。

かといって美緒に今さら、好きじゃなかったなんて言えるわけもない。


「翔太くん…?」

「ごめん、明日話聞くから今日は帰らせてくれ。いろいろ疲れた。」

「…わかった。明日また放課後にここで会おう?」

「あぁ、じゃあな。」



家に帰ると、ポストに一通の手紙が入っていた。

部屋に入り、中を開いてみると–––––––


『お前は、私の大切な物を奪った。罰は重い、覚悟しておけ』


「なんだこれ?」


差出人は––––––––––


「!?」

陽菜聖蘭!?


続く

春の気持ち②

えーと、いかがでしたか?笑

あまり自信のない作者です←w

次回、謎の手紙はあの人の元にも?!
そして、その手紙の謎が物語を大きく動かす!!

春の気持ち②

椿の早退をきっかけに、誰かに見られているような気配を感じている主人公。 そしてそれを幼馴染みに相談した事により、とてつもないことに巻き込まれてしまう! ぜひ読んでください☆

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-19

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