いるかのほし19 反転2

反転2

 「昨日さあ、怖かってん・・・・。」
週に1度のお楽しみ、姉ポコとの、いつもの電話・・・・。
クックとココが登校し、洗濯を干し、掃除機かけて、ちょうど8時半。
呼び出すと、すぐに出たポコに、ピコは珍しく自分のことから話しだした。

「なんかさあ、今日の朝方、私の部屋に、宇宙じんかなにか、やってきてた気がする・・・・。
むちゃくちゃ、気配かんじてんもん・・・・・。」

「へえ~~~!!すごい。ピコは、ご先祖さんとか、夢に出てきはったりするもんな。
どんなかんじやったん??」

「・・・・・・。それが、急に、なんか怖くなって、うわあ~~やめて~~~。って
思ってしまってん。はんなら、金縛りや。あかんわ。」

「そうなんや~~~。宇宙じんさんも、金縛り、かけるかな・・・。
ほかの何かなんちがうの。金縛りって怖いやんなあ・・・。」

あそこで、怖いって、心をブロックしなかったら、もっと違うことが起こっていたような気がするのだ。
なぜだか、根拠はないのだけど・・・・・。

「宇宙じんで、思い出したけど、宇宙カレンダーって、知ってる?」

いきなり、ポコが、おかしなことを言い出した。

宇宙カレンダー???

「太陽系の星って、くるくる太陽の周りをまわってるやん・・・・。それが、くっついいたり、はなれたり、また、まっすぐ並んだり、
そんなお互いの動きを、1年のカレンダーに書き込んである、「太陽暦」ってカレンダーがあるんよ。」

「昨日、地球と関係深い星って、何かな。ちょっと見て見るね・・・・・ああ、水星かな。「水星と地球の結び」太陽と水星、地球がまっすぐならんでる。へえ~~~じゃあ、水星人が、ピコんとこに、挨拶に来たん違う・・?」

ポコが、半分冗談を言ってるのは分かっていたけど、なぜか、ロマンティックな感じがして、それでもいいかな、とピコは思ったりした。

「でも、私も昨日怖い夢みたわ。真っ暗なナイアガラの滝の滝つぼの上に浮かんでるみたいな夢よ。
怖かったわ。・・・・、ああ、私も、嫌だ!!って思ったな。吸い込まれそうなきがしたから・・・・・。今、思ったら、吸い込まれてみても、案外良かったりしてね・・・・。

 そうそう、あと、星が回る太陽暦で、思い出したけど、面白いことあったよ。週末の買い物。ミーコと、雑貨と家具の店イケタに行って、何買ったと思う?サラダの水切りボールと、デコレーションケーキ台、ほんで帰りにガチャポンやったら、出てきたのが、かたつむりのフィギアよ。なんかあとから考えて、これって、みんな、ぐるぐる回るやつやんって、気が付いた。おかしくない?私、ここ最近、「うずまき」って、言葉が、なんでか頭に浮かんできてね。買い物の時は、全く忘れてたんよ。それが、ふたあけたら、全部ぐるぐるするもの、買ってきたんやからね。おかしいなあ。」

へえ~~。なんか、可笑しいな。ペロペロキャンディーみたいやな・・・。
ぐるぐる回る、この地球や惑星・・・。そういえば、昔私の使ってた貯金箱、お金を入れると、ぐるぐる螺旋のすべり台を、お金がすべりおりるしかけのやつやったな。すごい好きやった・・・・・。
いきなり、鮮明に思い出した、コインの種類ごとに分かれてたまってゆく、お気に入りのくるくる貯金箱。
あれって、最後どこにいったんやろ・・・・。もう、売ってないよね・・・・。それにしても、水星じんか・・・。あるわけないけど、でも、考えると楽しいな。と、ピコは思った。

いるかのほし19 反転2

いるかのほし19 反転2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-19

CC BY-NC-ND
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