潔癖症

潔癖症

自分自身に嫌気がさして仕方ない少年のお話です。
皆さんにはありますでしょうか?自分のここがやだ、自分のこの顔がやだ自分よ体型がやだなど、とありますでしょうか?
私には沢山あります。
この顔がやだとかこの性格がやだなどなどありすぎて困ってしまいます。
ですが、それらを克服していく人はとてもかっこいいと私は思います。
私は、そのかっこいい人にはなれませんが、
この少年はそれらを克服していく少年はとてもかっこいい少年になるでしょう。

潔癖症

いつからだろう、僕がこんなに汚くなったのは。
いつからだろう、僕がこんなに醜い物体になったのは。
いつからだろう、僕がこんな黒い感情ができたのは。

AM:8時
今日も嫌な学校がある。
僕がこの世で2番目に嫌いな学校が始まる。
まず、HRをしてそのあと授業が始まる。
1回の授業に50分もやる必要があるのか僕にはわからない。
この50分の間に僕は頭の中で楽しいことを考えるようにしている。
だけど、それは最初の5分で終わってしまう。
なぜって?それは、僕が出席番号1番だからだよ。
そう言えば、僕の名前をまだ言ってなかったね。
僕の名前は維澄純(イズミジュン)。
おかしいよね、僕のクラスには「あ」から苗字が始まる人がいないんだもん。
おかげで、僕が出席番号1番になっちゃったよ。
「じゃあ、この問題を維澄お前がやってみろ」
あぁ、やっぱり僕が当たるのか。
今日は9月9日なのにね、普通は9番の人が当たるはずなのになぁ。
あぁ、皆僕を見てる。やだなぁ。間違ってたらどうしよう。不安だなぁ。怖いなぁ。笑われないかなぁ。
僕はたくさんの感情を交差させながら慎重に問題を解いていく。
「よし、正解だ。戻っていいぞ。」
「良かったな!純!」
こいつは、僕の幼なじみ霜北槐(シモキタエンジュ)。見ての通りキラキラネームだ。
「うん、あっててよかった」
「もっと喜べよ!ほら!」
「槐うるさいよ先生に怒られる」
「お前らうるさいぞっ!静かにしろっ!」
「すいませーん」
「先生、すみません」
「いや、維澄は許してやる。だが、霜北お前はあとで職員室な」
「ええっ?!なんで俺だけなんすか?!」
ドッと笑いが起こる。これはもうこのクラスではお約束のやり取りだ。
「お前からは反省の色が見えないんだ!!!少しまともに勉強をしたらどうだ!!来年には受験を控えているんだぞ!!!」
「うっ、、、」
「維澄はともかくお前は全く勉強をしてないじゃないか!!!!!」
(これは、止めた方がいいのか?)
「純、タスケテェー」
「はぁ。先生槐の説教は後にしてください、今は授業を進めてください。」
「それもそうだな、霜北お前逃げたら宿題5倍な」
「どうせ、宿題5倍になっても維澄に教えてもらうだろーww」
「まぁなw」
「維澄、今回は手伝うなよ」
「わかりました」
「やめてくださいっ!!手伝ってくださいっ!!!」
「え、無理、僕だって忙しいの」
「そ、そんなぁ」
「さぁ、授業を続けるぞー」
「俺のことは無視なの?!ねぇ?!」
今日もこのクラスは平和だ。

潔癖症

潔癖症

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted