これから出逢う全てのものを君に重ねていく

常世誓@凍結

これは実際にあった誰かの話
多少、流血表現がある為、閲覧の際にはお気を付け下さい。

タイトルは「確かに恋だった」様より

偽る事のない明日と自分と想いと

今でも私は覚えている
彼と過ごした大切で温かく貴重な飴細工の様に繊細で甘い時間を
きっとこれは私の一生の中で最も幸せであろう時間

伝えきれなかった分のこの想い
願わくば、そんな君に読んでほしい


日記帳の1ページによるとこうらしい
"人は1を望めば10を望んで100を望む
数えれば数えるほどキリなどなくて
この気持ちをどこにぶつければいいのか分からない
少しでも相手にされたくて、話したくて。
会いたくて会えなくて空周りで
そんなのは自分が1番知ってる
けれども彼は優しいから
相談に乗ってもらった時、彼からの好意をはねのけてしまった。
他人はそれを『嫉妬』というけれど、周りを妬み、彼に依存しようとしている事。
寂しさと自分の愚かさに、もうどうしようもないと知っていても
どうしても やりきれない"

そう、この時の私はどうしてもやりきれなかった。
何がと問われればとてもシンプルな答え
単に意中の相手と上手くいっていないというだけだ
しかし、そう思っていてもとてもいい返事を貰ったのではないかと私はその失望の中で最後の希望を砂の様に掬っている。
それはもう1カ月も前の事
たかが偶然、ネット上で気になった人がいる事がきっかけだ。
何人かは気付いていたそうだが、彼は知らないであろうから、皮肉にも父の誕生日に眠気と戦いながらも、言える様にとチャンスを待ったが、唐突なのは当然だ。
今までただのネットの付き合いがあるというだけで、告白なんかされたら正直目も点になってしまうような事態なのは知っている。
が、言わなければ何も始まらない。

全てを賭けて勝負に出た

これは後に知った事なのだが、彼は結構周りに急かされ返事を出したという。
正直、私自身唐突で申し訳ないと思っていた為、長くても1カ月は待つつもりでいたが、それは3日という短さで返事は来た。
「気持ちは嬉しいけど、よくよく考えてみれば俺はお前の事を知らないと思ってな……。だから友達からじゃ駄目か?」
当然の結果 ここまでの返事がくれば、誰もが喜ぶであろう。
「知ったばかりだし、正直興味もない。」だなんて返事が来るよりか幾分とマシで、私も返事が来た時は相当喜んでいた――のは、たった数週間。
結果、冒頭にある日記の1ページにある内容を日々綴っている。
時には気持ちだけが逸り、別の相手に相談に乗ってもらった事もあったが、その人は冷静にこう言った。
「所詮はネット。本気でのめり込むのではなく、『息抜き』で相手にした方がいい。」――と
(冗談じゃない)
息抜きだなって割り切った気持ちが出来る程、私は大人でもなければ、こちらは本気で想いを抱いているのだ。
酷い目や痛い目にある事も、過去の経験から十分に分かっているというのに、どうしても受け入れられない自分。
今こうして振り返れば、阿呆以外の何者でもないと失笑すらしてしまう。

割り切れないその先は、如何にも滅茶苦茶で醜い散文が広がるだけ。
他の人と仲良く話しているだけで勘違いされたくない
どうして構ってくれないのか?
何で無視するの?
彼が他の人と愛矯よく話しているのが気に食わない
誰にでも優しいその博愛主義がどうしても恨めしい
馬鹿馬鹿しい、こんな物はただの自分の我儘だ、側面だ。見せてしまったら嫌われるというのは誰もが予測できるだろうから、その日記の存在は内緒にしている。
空想、独白、妄想、妬み――これら全てを吐きだして何になる?
けれども、吐きださなければ笑えない。
だから日々、ノートの一面は赤いボールペンで書いた赤一色に染まり、それ以外の赤も混じっている。
この心の声は誰にも届かない 聞こえるのは脳内に響く嘲笑と嘲笑い続けている自分だけ

笑うしかないだろう

彼に『優しい』と思われたいから、『優しい人』を演じたりもしたその先に言われた言葉は正にテンプレート。
「お前は優しいじゃねぇか」
「違う」
私の発した言葉はこの一声に過ぎない
何故?
答えは簡単。優しいと思われたいから人に優しくして、他人を利用する――言ってしまえば極度に自己中心的で利己的だと言う事だ。
それを告げても彼は理解できないと言った。
私は笑う 彼の純粋さを笑う
ここで暴露させてもらうが、実を言えば私は『優しい人』に見られたくないのだ。
丁度小学校の4年生頃、苛められている中で、文集にあるランキングで『優しい人』の項目の1番に私の名前が載っているからだ。
ただ私が捻くれているだけなのかもしれないが、そんな状況の中で、優しいという定義に当て嵌まるのならば、ただの使い勝手のいい人同然なのだと。そう思った。
そんなコンプレックスを抱え、私を偽善者だと嗤う声に耳を塞ぎながら過ごす日々の中でどれだけ彼が優しくしてくれたか。
だから私は彼の言葉1つ1つで救われてきた
話すだけで心が洗われ、楽しいと自然に笑うようになった。

――が、そんなに楽しいだけの日々など続かないのは自明。
伏せさせてもらうが、彼が酷い目に遭った時にまず彼が心配してくれたのは私の事だった。
話の途中途中で「アイツは大丈夫か?」と辛い内心を話す中気遣う彼の悪い癖
一方、私と言えば既に感情のコントロールがきかなくなっており、その時握っていたのは赤いボールペンと木工用のナイフのみ。
汚い言葉を幾つも書き綴り、ナイフでノートを刺し続け、途中あまりの勢いに指にさえ傷を作り、またノートが赤く染まった。
しかし、こんな私よりも大事なのは彼の内心だ。
だから私は言う
「貴方は悪くないよ」と
こんな事を言っても失望はしないよ?と 離れないよ?と 嫌いにならないよ?と
「大丈夫、泣いてもいいから。」
ここからは黒く淀んだ私の一面
「あの女は何があっても、どんな方法でも炙りだしてあげるから。」
制御の効かない自分はあまりにも、どの人間よりも人間らしい。
欲に生きる人間、という意味での『人間』でだが。

そんな中、とうとうすれ違う時が来た。
と同時に私は寂しさと混乱と、家庭の事情で滅茶苦茶となり、全てが自暴自棄。
全てが自分の敵 全てこうなったのは自分の所為
何故そんな風に考えていたのか、今の私にはさっぱり分からない。
彼のくれた言葉も響かない
全てが空虚となった頃に、また彼は現われた。
忙しいというのに心配して、いつもの様に苦笑して。

「どうしたんだよ?」

(ああ……)
そうだった
私はこんな彼を好きになったんだ

誰にでも優しくて、お節介焼きで、それでもどこか自分を責めても許してしまうその甘さと背負った悲しみそれら全てを。
「冗談でも、劇薬を飲むだなんて言うな。自分を傷つけるな。」
あまりの温かさに涙が止まらない
「お前をそこまで追い詰めて、俺達の事まで信じられないくらいに人間不信に追い詰めて……ちょっと許せるどころの話じゃねーわ。」
この言葉に思って、ふと自分で傷付けた手首を見る。
ここまで自分の事を愛してくれた人は一体どれだけのモノだろうと?そんなモノは片手で数える程度でしかないのも知っている。
「でもこれだけは覚えておけよ?」
だから、どんな言葉を言っても、何をしても言いきれない言葉がある。
「お前は俺に必要だ。お前の存在価値を俺が必要とする」
もはや十分に嬉しいだとか、期待をしてもいいのかという次元の話ではない。
自身の存在証明の立証 相手の綴った想い
涙で画面が見えない中で、まだ文字の羅列は続く。
「お前の事、傷付けそうになったら絶対俺に連絡して来い。ホントはマジで傍にいてやりたいんだけどな?」

私が、こんなにも醜い自分が描いた世界はこんなにも身近な場所にあって
昨日には過去にはない喜びがこんなにも近くにあって
最後に添えられた言葉がとても甘かった

「おやすみ、願わくばいい夢を。」

言えなかった「おやすみ」と言う言葉
心と日記に隠した感情

きっと、日記にはこれ以上のモノが綴られていくのだろう。
だが、それを書いてから以降、その日記帳が赤く染まる事はなかった。

私は十分に救われている
いつか言えなかった言葉 いつか彼に言おうと決めた言葉
その時にはまた「愛している」という言葉も添えて、私は言おうと考えている。

Fin.

これから出逢う全てのものを君に重ねていく

どうも 常世誓です

今回は如何でしたでしょうか?
これは私自身の体験した話で、書く時に「これ、大丈夫か……?」という思いもありますが、何よりも似た境遇の方もいらっしゃるんじゃないかと思い、書かせてもらいました。
「所詮はネット」といいますが、今現在ネットが普及されている今、真剣な話もあってもいいと思うのですよ。
こういったものに理屈など存在しないと私は考えております
だからこそ伝えたいものもございまして

久々のエッセイの為、実に乱雑ではありますが、見て下さった皆様には感謝の言葉を
そして、タイトルを借りさせて頂いた『確かに恋だった』様にもこの場を借りて、感謝の意と言葉を。

それではありがとうございました

15.5.16 常世誓

これから出逢う全てのものを君に重ねていく

これはどこかの誰かのお話 甘さや浪漫など必要なく、ただただ純粋な気持ちだけを持って。 添えられない花束をここに

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-16

CC BY-NC-ND
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