砂場で

秋乃 憂

 砂場で子どもが遊んでいる
 お伽話の世界を描いている
 大きなお城、大きなトンネル。
 爪の中に誰かが入っても
 手指に何かが付こうとも
 気にもとめず、ただ描き続ける。

 私も小さな頃はそうだったかしら
 汚れることばかり気にして
 ひとり部屋でピアノを弾いていたのだけれど
 誰も聴いてくれない
 褒めてもくれない
 砂場で誰かと会話をしたかった。
 私は砂場には近寄れなかった。
 
 上品でいなさい、汚してはいけない。
 勉強しなさい、馬鹿なことはするな。

 ああああああああああああ

 まるで他人を見下すような冷たさで
 嘲り笑う親族を
 
 あああああああああああああああ
    あああああああああああああああ

 
 私も砂で遊びたいわ
 夢を見て
 集中して、白熱して。

 深く深く、なるべく深く掘りたいわ
 楽しいんだもの。
 誰かと一緒に遊びたい
 
 もう誰に邪魔をされることもないから
 誰かが知る由もないように
 私は砂場で遊んでいます。

砂場で

砂場で

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-16

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