遺言屋7

水月 灯

東郷という家

「あれ…そういえば、澪は…?」

「澪ちゃんも今試験を受けてますよ。
紫貴が付いてるので心配は無用です!」

「澪、まだ8歳ですよ…?
試験なんて受けれるものなんですか?」

「あの子の精神力、妖力は
他の人と比にならない程強い。大丈夫ですよ!」

「そう……ですか…」

色々話してる間に、誓の部屋の前に来ていた。

「誓様!失礼します、今大丈夫ですか?」

「……いいよ、入って。」


「失礼します、莉旺くんの武器が決まったので
ご報告をと思って……」

「何に、なったの?」

僕は抱えてきた重い刀を誓に見せた。

「対鬼の神具か…」

「神具?」

「そう。御神木から賜る武器を神具というの。
この刀、まだ正式には君のじゃないんだよ。
名前、付けなきゃ。」

「名前ー…じゃあ鬼を斬るからオニギリとか。」

刀は何も反応しない。

「あちゃー、不服みたいですよ、その名前!
神具が名前を気に入ったら光りだしますからね。」

不服とはワガママな…

「オニギリは…無い。」

「う…」

そんなに酷い名前だろうか。

「ま、とりあえず名前は考えといてください!
その刀、鬼退治に特化してはいますが、
普通に妖怪退治はできると思いますよ。
ちなみに神具は持ち主しか使えませんからね!」

「僕にしか使えないんですか…」

「ええ。大切にしてください。」

なんだか、心が浮く感じがする。

嬉しい、のかな……

「…で、気になってたんですけど、
鬼というのは…?」

昔話などによく出てくるあの乱暴な鬼…?

いや勝てる気がしない。


2人が沈黙する。

ミケさんが口を開こうとすると、

誓がそれを制した。

「私が、話す。」

ミケさんが困り顔で誓を見つめる中

誓は東郷家に伝わる昔話を教えてくれたー…



ある男が居た。

その男は強い力を欲しー…

ついには禁忌を犯した。

「鬼」を捕らえ、その血肉を食んだのだ。

鬼は最後に言い残す。

「お前はこれで強い力を手に入れた。
子孫は繁栄し、お前は幸せに死にゆくだろう。
しかしお前の業は消えない。
子孫はお前の業を背負い、
やがて産まれる鬼の子が
お前たち一族を滅ぼすだろう。」

男は百まで生きたのち、穏やかに死んでいった。

そして子孫たちは、男から受け継いだその力を

悪しき妖怪を退治するために使おうと

妖怪退治屋を開いた。


数百年が経ちー

男の子孫に、双子が産まれた。


「その片割れが、私なの。」

言葉が出てこない。

あまりに…、こう言うとなんだが、

現実味がない。


「私たちは、とても優秀だった。
いつも一緒だった。
あの日……13歳の誕生日までは。」

遺言屋7

遺言屋7

遺言屋6の続きです。 インフルにかかってしまいました… 辛い…

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-15

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