パーフェクト・レイプ

あかがれじゅひか

オレは、犬が好きだ。愛らしく格好いい。なんて性的な生き物なのだ。人を欲情させるために生まれてきたとしか思えない。
それに反して人間の女はどうだ。鈍重で不恰好な上に、汚ならしい化粧などして見苦しい。人間の女を見て興奮すると言っている男は、世間体を気にして本音を言えないだけだろう。
オレはそう信じていたが……どうやら、オレの性癖は特殊で極めて少数派なのだとわかってきた。大半の男は、本気で人間の女を性的欲求の対象としていて、他の生物種に対してはあまり発情しないらしい。犬も欲求の対象外のようだ。
考えてみれば当然か。そうでなければ人類という種が存続しないのだから。
そう気付いたからには、もうオレの趣味は誰にも話せない。他人と下ネタ話とかできないし、童貞卒業もできない。
オレは、犬を飼わない主義だ。よその家の犬を眺めたり盗撮したりして性欲処理の道具にするのがもっぱらである。犬を飼えば犯り放題なのはわかる。しかし、性的な理由で犬を飼うというのは何か違うじゃないか。犬を飼う動機は、もっと純粋で清らかであるべきだ。だからオレにはその資格が無い。
それにしても、Hしたい。毎日悶々としていたオレは、ふと気づいてしまった。犬相手なら、強姦で完全犯罪が出来る!
犬は言葉をしゃべれないから、レイプされたことを飼い主に伝えられない。人間に見つからないようにすれば、何でも出来る。膣出しもし放題だ。レイプが発覚することがないのだから、警察の鑑識なども出てこない。
思いついたら、いてもたってもいられない。最近お気に入りの、エルザちゃんを犯そうと決意した。
エルザちゃんは、オレの通勤コースの途中の山本という家で飼われている。しなやかな体をしたシベリアンハスキーで、一目惚れしてしまった。もちろんメスだ。オレはゲイじゃないから、メスにしか興味は無い。
ちなみにオレは、交尾器を見なくても犬の性別がわかる。ネコや鳥なんかはよくわからんけど、犬だけは確実にわかる。年齢もわかる。エルザはまだ大人になりたてで、たぶん処女だ。
山田家についてじっくりと調べ、しょっちゅう家族で外食に行くが、その時はエルザちゃんを置いていくことがわかった。
連日山田家を見張り、ある晩ついに一家が車で出かけて行くのを確認した。家族構成は把握しているので、今、あの家は確実に無人だとわかる。
庭にこっそり忍びこむ。エルザはオレを見ても吠えない。オレは愛情深いせいか犬に一瞬でなつかれるのだ。
しかし犯したらさすがに鳴き声もあげるだろうから、用意していた口輪をはめる。そして、レイプ決行だ。
感動だった。あれほどの快楽は他に無い。犬を犯ったことの無い男は可哀想だぜ。
行為が終わってぐったりしているエルザの口輪を外し、山田家敷地から脱出。一時間で終わらせるつもりだったが、時計を見ると三十分もたっていなかった。
まだ山田一家は帰ってきていないし、夜道を歩く人は無く目撃者ゼロ。完璧だ。この犯行は永久にバレることは無い。実に簡単な完全犯罪だった。
一応、明日から通勤コースを変えて山田家の前を通らないようにしよう。エルザがオレを見て変な反応を
したら、怪しまれるからな。
数日後。オレの家に警察が来て、つかまった。何でだ?!エルザにオレのにおいをたどらせたのか?しかしエルザが何をされたかなんてわからないはずだ。それともそんな意思の疎通ができるくらい飼い主との間に深い愛情があるのか?
色々な可能性が思い浮かぶ。しかし、決定的証拠は無いはずだ。断固として否定してやる!
警察官がオレに逮捕の理由を告げる。
「防犯カメラにあなたが映ってました。」
オレはおとなしくつかまった。

パーフェクト・レイプ

パーフェクト・レイプ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-15

CC BY-NC-ND
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