うつうつとして、他詩編

緑谷式

うつうつとして、日は過ぎにけり
春の日は過ぎにけり
陽は断崖の向こうを低く歩めり
その影に、新月、照射して
我の姿も消えるべし
うつうつとして日は過ぎにけり
春の日は過ぎにけり
待ち人は来ず
我の涙も大海に注ぎ
いっそうと黒々と波は打ちにけり

うつうつとして日は過ぎにけり
春の日は過ぎにけり




花々が咲くところに
病人は一人さびしく、悲しげに歩を歩みたり
かのいにしえの日にも
この地に花々は咲き
うぐいすは春の声で鳴きにけり
ああ春の陽のこの悔悛を鳴きにけり
うぐいすは冷たい季節を恐れ
悄然として鳴きにけり

うつうつとして、他詩編

うつうつとして、他詩編

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-14

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