薔薇の夢

はるのいずみ

そは 眠りては見えず

目覚めてこそ見ゆるもの

降りそそぐ陽の光と

縁の爽やかな風の中に浮かぶ

季節の女神が残せし吐息の

形を成したるもの

甘き 官能の香りともに気品をも漂わせ

見る者の心を魅惑の世界へと(いざな)


手折らんとするものを遠ざけんと

その美しさの裏に鋭い棘を忍ばせながらも

初めてのくちづけを待つ乙女の如くに

朝露に濡れたその蕾はそっと

薔薇色の夢を開きぬ

薔薇の夢

薔薇の夢

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-12

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