悲しい思い 他詩編

悲しい思いなら
僕はもう十分にしてきた
中学、高校、大学と
悲しい思いで、僕は一人生きてきた
これから先はどうなるだろう
きっと未来は明るい
きっと世界は明るい
いずれまた、君とも僕は出会うことだろう



夕陽に僕は憧れる
あの沈んでいく夕陽に
僕は憧れる
あの陽はいろいろなことを知っているだろう
僕の知らないあの娘(こ)のことや、世界の秘密なんかのことを

夕陽に僕は憧れる
この沈みゆく世界に
僕は憧れる
僕が死んでしまっても
あの夕陽はいつもと同じように
沈んでいくだろう

夕陽に僕は憧れる
一人でこうして
夕陽に僕は憧れる


全てはいなくなってしまう
みんな、いつかは消えてしまう
肝も僕も五月のあの空も
鳥達も捨てられた子供達も

みんないつかは消えてしまう
それでもこの時を
君と過ごしていれば
その中に美のひらめきはあるだろう
ときめきはあるだろう
そうしてそっと本を閉じるように
この世界は無くなればいい
優しくゆっくりと僕達と歩調をとって
この世界はなくなればいい

悲しい思い 他詩編

悲しい思い 他詩編

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-10

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