小石
少女は小石を探していた。
もうずっと長いこと、探していた。
優しい顔をした人たちに渡された、冷たい鉄や重たい鉛の固まりのせいで、その小さく華奢な手は赤く傷つきひび割れていた。
親しげな顔の人たちが与えた、甘く苦しい毒のせいで、少女の息は重く、その細い身体もとても疲れていた。
少女は歩き続け、小さな池に出た。池のほとりで、ひとりの少年に会った。
少年は少女に小さな石を差し出した。それは少年の心臓の欠片からできていた。
少年の心臓は、とても痛ましい色をしていた。
少年の小石は、とても美しい色をしていた。
冷えた手から手へ受け取った、深い緑碧の小石を、少女は飽かず眺めた。
きらりきらきら きらきらら。
赤い傷跡にひやりとしみた。
それはとても、懐かしい色をしていた。
小石