0点

0点

まどろ

あなたは何点をつけますか?

「いいじゃん。何点だって」

点数ってなんなんだろう。テストの点、能力値の平均点、パーセンテージ。いろんな点数があるけど、僕が一番知りたいのは、「人生の点数」だ。
でもこの答えは一生明確な数値は出ないだろう。こればっかりは仕方がない。誰も評価できないんだから。
そうなってくると、さらに深く考えちゃって、その結果、この問いにたどり着く。

“結局人生とはなんなのだろうか”

生まれて、時間が経てば消える。ただこれだけの存在が僕ら人だ。中には偉大な発明や、異常な身体能力で記録を出したりして、世界に名を残す人もいる。それはごく稀だ。一握りでもない。もしかすると奇跡とか、運命とか、その辺の胡散臭い部分なのかもしれない。でもそれぐらいの存在になって初めて人は“採点”されるんだろうなって思う。

「違うよ」

僕の後ろで君が言った。
「そもそもあなたは根本的に間違ってると思うよ。まぁ、これも私個人の考えだから、勝手に間違ってるって決めつけるのもよくないんだろうけど、言わせてもらっていい?」
僕が返事を返す間も無く「えっとね」と君は続ける。
「採点してほしいっていうのはわかるの。周りの評価が知りたいのもわかる。でもね、それに点数をつけるとしたら…したらだよ?」
すこし間を置いて君は言った。
「それはあなたが決めるものなんじゃないかな」
“あなたが決めるもの”か…。
どういう意味なんだろうか。
「例えばだけどさ、あなたの頑張ったことに対して、100人が100人とも『君は頑張った』っていうと思う?私はならないと思うよ。『まだまだ努力が足りない』って言う人が10人くらいはいるよ。きっと」
「だからね?」と君は続ける。
「人生っていう一つの物語で採点するとしたら、あなたが主役で終えた、あなたの人生は、あなたしか採点できないの。だから悩まないでよ。そんなことで。これから後何十年っていう時間を過ごすんだよ?もう直ぐ終わるかなってときに振り返って採点しようよ。あなたが忘れてる箇所があったら、私が教えてあげるから」
「ね?」と君は笑う。
「じゃあ、その時がきたとして、僕が僕に0点をつけたら?」
黒板に0を書いて言った。
すると君は笑って、僕からチョークを取りあげる。
「その時は私が隣に『10』って書いてあげる」
「それじゃあ僕が採点したことにならないじゃん」
そう言おうとしたけどやめた。抱いていた疑問の答えを見つけられたから。

“人生に点数をつけてくれる人が君なら0点だっていいや”

0点

僕の大切な人がこんな事を言い出したので、題名をもらって、書きました。
実際は僕個人の意見です。

0点

「0の横に10って書いたら、100だよ?」

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-07

Public Domain
自由に複製、改変・翻案、配布することが出来ます。

Public Domain