フィクション

※文章量が多いため、縦書きを推奨します。

 通勤時間は読書に限る。益田は都心に向かう電車の中で、栞を挟んだページを開く。
 土曜出勤なんてついていない。普段のラッシュを考えると格段に過ごしやすいがそれでも、ベビーカーを押した親子連れなんかを見かけると、あるはずだった安息を思い憂鬱になってしまう。通勤時間は読書に限る。益田は同じ言葉を心の中で繰り返す。自身の休日出勤、一方で和やかな家族サービスの光景、一時とはいえ益田にこんな現実を忘れさせてくれる。そのためか益田の手にする本はいつも、現実の美しい部分だけを切り取った作り物語だった。今、手の中にあるものもまた、漏れなくそうだ。パン作りの上手い知的障害者と、不良少年たちの心の交流。筆者の流れるような言葉が、すっと心に入り込んでくる。益田のお気に入りの作家の最新作だ。
 電車が発車した。一、二分遅れているのはいつものことだったが、それでもやれやれと嘆息せずにはいられない。時間にはあまり頓着のない方だが、電車が時間通りなのは当たり前と思っているきらいがある。もっとも、海外の電車の時間は全く正確ではないから日本に来た外国人は概ね、日本の電車の正確さに感動するらしい。しかし、日本人に言わせてみれば遅れる方が不自然なのだ。日本人として、正確さを磨いて欲しいと電車に願う。
 ふと目を落すと、益田のいる吊革の斜め前に、見るからに体調の悪そうな女性がいた。

「…?」

 美しく整えられた薄い眉を痛々しいほど寄せて、荒く呼吸をし、時折呻き声が微かに漏れているのがわかる。十一月だというのに、やや汗ばんでいるようにも見える。それは誰が見ても不自然な光景で、隣の客や正面の客、一ボックス離れた客からもチラチラと視線が向けられていた。右隣の、益田と同様休日出勤らしい五十代くらいのサラリーマンに至っては、さも迷惑そうに睨みつけてさえいる。そしてまるで見ているかのように、車内アナウンス。

「お客様にお願いいたします。万が一体調の優れなくなったお客様は、無理をなさらず電車を降りて駅係員にお知らせください」

 本当に女性は、無理をせず降りるべきだったろう。気の毒だが自業自得としか言えない。更に「お客様対応」などになったら、自業自得の域すら越えて何千という鉄道ユーザーに影響を与え、多大なる迷惑となるだろう。右隣のサラリーマンの視線を非難することは出来ない。

「あなた大丈夫?」

 膠着しそうな状況を打破したのは、大袈裟に抑揚のついた女性の甲高い声だった。
「ああ、いるいる」と益田は心の中で苦笑した。こういう無遠慮ないわゆるお節介なオバサン。吉と出るか凶と出るか。

「…だ、じょ…で、す…」

 やはり女性はその声を拒んだ。女性の声は声帯を通さないかのようにかすれ、精一杯の力で振り絞られた声が憐れみを誘う。しかし、異常な状況―酷く具合の悪そうな女性とお節介オバサン―は他の乗客たちの苛立ち、不安のボルテージを上げるばかり。今日はいつもの朝と少し違っている。

「大丈夫って…、大丈夫じゃなさそうだから声をかけたのよ?次の駅で降りた方がいいわ…でもしばらく停まらないのよね…。どうしたの?どこか痛いの?」

 そう、この異常な状況は次の駅まで続く。これは快特急行で、しかも今この線で最も長い距離を走行中だ。時間にしてみると、カップ麺(うどん)が何個作れるかといったところ。
 お節介オバサンはどうやら、自分に出来ることなら介抱してやろうと思っているらしい。吊革につかまった身を乗り出して、女性の顔色をずっと窺っている。一般人に出来ることなんて大してないだろうに。一度拒まれたことにもめげず、オバサンは化粧の薄い顔を更に女性へ近づける。女性はなおも辛そうに息を吐いて、諦めたように重たい口を開く。

「わたし……うま、れそう…なんで、す」

 ウマレソウ。うまれそう?うまれるってあの産まれる?生命の誕生という、出産という、ヒッヒッフーと言う、あれ?
 益田は動揺した。顔色が変わらないことに定評を持っている彼も、目を見開かずにはいられない。通勤途中の電車内で聞こえてきていい言葉ではない、もっと、現実的な、…現実的って何だ。と、益田が女性の方に目を向けたまま硬直している間にも、オバサンは甲高い声を車内に響かせて「えっ?産まれるっ?」と叫び、右隣のサラリーマンは首を高速半回転させ女性を凝視し、左隣で眠っていた男子学生はガバッと頭を上げた。そしてオバサンの響いた声が、電車内全ての人間の視線を女性に集中させた。

「もう……ぁ、だめ…で」

 女性はいよいよ耐えかねたようで、忍耐を諦め縋るように(益田はこの時以上に人間が縋る目というものを見たことがなかった)お節介オバサンに言った。

「…助けて……くだ、さい…ぅっ」

「当たり前よ!」

 オバサンの返事は早かった。雷鳴の如き即答だった。疾風迅雷とはこのことか。
 しかし早かったのはオバサンだけではなかった。これまで、社会の害虫を見るかのように女性を睨み続けていた右隣のサラリーマンが立ち上がり、

「すみません、ここの席を空けていただけませんか?こちらの妊婦さんのために」

 と、気難しそうな脂ぎった顔(と剥き出しの頭皮)からは想像もつかない、柔らかな良く通るテナーで言った。そして早かったのはオバサンと左隣のサラリーマンだけではなかった。サラリーマンが言い終わらないうちに老若男女様々の乗客たちが席を立ち、更には左隣の眠っていた男子学生が妊婦を支えて席に寝かせた。向かいに座っていた三十代半ば程の、いかにもこれから女子会ランチ行きます風な女性二人組が、「お手伝いしますよ」と声をかけた。
 新たな命というものはなんと偉大なものか。
 益田は一瞬にして車内に満ちたあたたかなものに、感動し感激し胸震わせた。涙が出そうだ。見た目には、自分の荷物を抱えてようよう席から離れ、見てもいない本を馬鹿のように持って心配そうに様子を眺めている乗客の一人でしかなかったが。
 女性は苦しそうに辛そうに喘ぎながらも表情を和らげて、唇を、ありがとうございます、と動かした。と、思うと予想だに、少なくとも益田が予想だにしなかった状況が展開された。

「…ンンンッッァ!」

 女性の悲鳴が突如響いた。益田は驚いて喉に息を詰まらせる。それまで極力の静寂を保っていた車内が、その一声で修羅場になった。と、益田には感じられた。益田は出産に立ち会った経験がない。なぜなら簡単、独身だからだ。三十路の独身だ。同じく出産を知らないであろう若い世代と気の小さそうな男性が益田と同じように、何か怖ろしいものを見るような目で女性を心細そうに見つめている。力強い視線で見守るのは女性たちばかりであった。ように思われた。

「そうね!声だした方がいいわよ、もう大丈夫だから」

 お節介オバサンは女性―妊婦に声をかける。参った、心強い、心強すぎる。益田の心はもはや、オバサンに対する尊敬の念で溢れていた。気付けばいつの間にか、席の途中の銀の棒に誰かのタオルがくくりつけられ妊婦がそれを握り締めて痛みに耐えているようだった。益田はドラマで観たことがある光景とそっくり同じだと考え、またその考えに呆れてしまう。ドラマが現実を模倣したもので、こっちが本物なのだ。ドラマみたい、と現実を形容することほど間抜けで滑稽なことはない。

「ここで産んでしまいましょ?ね?」

 妊婦の周りにはオバサンと二人組の女性、それに、後から声をかけてきた白髪交じりの老婦人しかいなかった。オバサンの声に彼女たちは三者三様ながら頷いた。他の客は他のボックスに移り吊革に捕まってやや渋滞気味に電車に揺られていた。他の車両は比較的空いているのでそちらに移ればよいのだが、誰しもがなんとなく、この車両にとどまっていた。妊婦の声が益々切羽詰まってくる。単なる呻き声ではなく、痛いと言っているのがわかる。わかってしまう。益田は、良かった、と心から思ってしまった。女に生まれなくて良かった。子供の為とは言え、こんな痛みに耐えられるとは思えない。女ってすごい。母って、すごい。

「ぃイタァイイイ!痛ッァイイ!」

相変わらず声は盛大に車内で響いていた。産声だ。母の産声だ。赤ん坊と同じように、全身全霊で叫んでいる。こうやって母親になるんだ。益田の目に流れる窓の景色が飛び込んでくる。目を細める。眩しい青が、ビルの合間を縫ってするすると胸を抜けていく。見たこともない空だった。妊婦を励ます声が、耳の中をすり抜けて熱を帯びる。

「柚季子さん、しっかり!」

 そして、その隣で二人組の女性たちが思いも寄らないことを口にしている。

「…普通だったら、こんなすぐ産まれそうにならないもんよね、どれだけ陣痛我慢してたの」

「そうよね、しかもこんな朝に…。陣痛始まったら、五、六時間はそのままじゃない?どうして電車なんて乗っちゃったのかな。救急車呼ぶとかね…今更なんだけど」

 五、六時間。こうなってしまったからには仕方がないものの、何故我慢してしまったのだろう。例えば、と益田は考える。


 新婚であるにも関わらず彼女の旦那は非常に多忙で、臨月となる時期に短期の出張が入ってしまう。たった一泊の出張である。旦那は仕方なしに身重の妻を置いて出張に出掛ける。旦那の出がけに交わされた二人のやりとりはこうだ。

「まあ、まだ予定日にはならないし大丈夫だよ、気をつけて行ってきてね」

「ごめんな、すぐ、帰ってくるから!良い子で待ってるんだぞ~!」

「ふふっ。そんな心配しないで、平気だから」

「うん、いってきます」

「いってらっしゃい!」


 うん、微笑ましい。こんな嫁が欲しい。
 しかし運悪く旦那の出張した日の明け方、妻はふと目覚める。なんとなくお腹に違和感がある。まさかね、と思っているうちに違和感は段々痛みへと変わってゆく。冷や汗をかきながら妻は一瞬考える。救急車を呼ぼうか。すぐに思い直して、いつもは車で送ってもらっている行きつけの病院は確か、駅からも近かったはずだと思い出す。慎ましい生活を生きる妻にとって救急車を呼ぶという大事は躊躇われた。そして、とるものもとりあえず誰にも知らせず家を出て一人電車に乗り込む。痛みはますます増すばかり。普段ならば気にも留めない電車のガァタンガァタン、という音が無限に続いていくような気の遠くなる気分で、ひたすらに一人で耐えてどうにか一刻も早く病院にと念じ続ける。だが、今や彼女は一人ではなかった。大勢の乗客が彼女を応援している。電車がかくんと揺れた。次の駅に着いたのだ。

 何事もなかったかのようにアナウンスが流れ、扉が左右に開く。その時に乗り込もうとした客の表情といったらなかった。顔の見える人たちだけでも皆一様に目を見張り、この簡易移動式分娩室に大いに戸惑っていた。一方、降りる方はというとなんだか誇らしげにそれらの客を一瞥し堂々と澄ました顔で降車してゆく。中には声をかけてから降りる者もおり、「がんばってください」「お気をつけて」などと口々に言っている。このままここで電車が停車して大変なことになるのではという不安が頭をよぎるが、オバサンに言われるがまま客が乗車すると、電車は再び通常運行で動き出した。オバサンすごい。

「ウゥ…!ウウゥウッ!」

「柚季子さん、いいですか、ゆっくり吐いて…」

 オバサン、二人組の女性たち、白髪の老婦人の影と有志の衣類で妊婦の姿は見ることが出来なかったが、言われたとおりに息を吐く音が聞こえる。今更ながら益田は、オバサンはもしかしたら看護師かもしれないと思った。いくら自分自身が一度や二度経験していたからといって、あそこまで落ち着いて且つはっきりと指示を出せるものなのか。素人というのはなかなか考えにくい。現場を仕切る太っ腹主任。うん、有り得る。
 そうこうと益田が勝手に納得している間に、二つ程駅を通り過ぎた。益田は終点まで乗るため、最後までおつき合いすることになりそうだ。喜ばしいやらハラハラするわで複雑であるが、気がつけば妊婦は例の出産の呼吸に移っていた。

「吸ってー、吸ってー、深く吐いてー!」

 オバサン、いや主任の張り切りきった声が一層大きくなる。ゆきこさん、がんばれ。不思議と願う言葉が口をついて出た。がんばれ、という言葉は好きではなかった、しかし、益田は他に彼女を応援することばを持ち合わせていなかった。応援、とも違う、何か漠然としたものを、ただ、祈り、ただ願っていた。
 相変わらず響く妊婦の叫びはしかし力強い。もしもこんな痛みを経験したら、もう気が狂っているだろう、と益田は改めて母の底知れない力を思う。聞いているだけで、おかしくなりそうだ。そういえば、しばらく自分の母にも連絡をとっていない。たしか、益田自身が難産だったと聞いたことがある。ひさしぶりに顔出すか、と、やりきれない気持ちを逸らし考える。益田はもう、この電車を降りて自分がどこへ向かおうとしているのか、何をしようとしているのかなどとうに忘れてしまっていた。

「ほら!頭が出てきましたよ、もうすこし、もうすこし!」

 主任の声が、一際あかるく車内を揺らす。頭…と益田は妊婦の股から胎児の頭が出てくる様子を想像しかけて、慌てて首を降る。まだだ、まだ、早すぎる。自身がいい大人であることを棚に上げて、車窓の川原に目を凝らした。益田には、一乗客として電車に揺られることしかできないのだ。

「もうすぐおかあさんになれますよ~」

 二人組のうちのひとりが声をかける。そうだ、おかあさんに「なる」のだ、と繰り返して自分でもその言葉のどこに得心したのかよくわからないまま、声をかけた女性の背中をじっとみる。誰でもなれるわけじゃない、なりたくてもなりたくなくても関係なく、「なる」ものだ。父親は、と考える。父親は果たして、どうやっておとうさんに「なる」のだろうか。
 電車はまた次の駅に止まる。乗降者数は比較的少ない駅である。と、そこで男女二人組の駅員が入ってきた。なにやら大きな荷物を抱えている。

「大丈夫ですか」

 上司らしき男の駅員が、出産を手伝っている乗客に向けて声をかける。その間にも電車のドアは閉まり、電車はゆっくり動き始めている。

「たぶん、もうすぐだと思います」

 先ほど発言した柔和そうな女性が、ハッキリとした調子で答える。女性の駅員が、妊婦の様子を主任越しに覗っているのも見えた。

「本来ならすぐにでも救急を呼ぶところでしたが…」

 男の駅員は少し言葉を濁す。たしかに言われてみれば、産気づいたのなら駅を降りて救急で病院に運ぶのが最善だった。何事も最善とはいかないものなのだろう、と呑気に益田は一人ごちる。

「こちらで対応が遅れてしまいました。次の駅で対応させていただきます。救急車の手配も済んでいますので、安心してください。」

 堅実そうな太い眉とその眼差しが、車内をぐるりと見渡す。

「お母様に連絡をしたそうですね?」

 女の駅員が近くで手伝う乗客に話し掛ける。

「ええ、携帯をお借りして。何でも、いきつけの産婦人科は妊婦さんのお母さんの勧めで決めたらしくて、ご自宅が駅から近いと言っていました」

 駅員はそれを既に知っていたかのように、二、三度頷くと、痛みに苦しみながらも少し不安げな視線を送っていた妊婦に近寄ると、その耳元で、

「お母様が駅でお待ちになっています、もう大丈夫ですよ」

 力強くやさしい声でそっと話し掛けた。妊婦はわずかに頷いたようだった。と、間もなく主任の力強い声が再び響く。

「あとすこし、ほら、よいしょ!がんばれよいしょ!」

 そして続けざまに、「よいしょ!よいしょ!よいしょ!」と繰り返す。それに妊婦の最後の唸りが混じり合って、聞いている益田まで力が入ってしまうような掛け声である。なんとも古風な、と思わなくもないが、益田は急に、自分の鼓動が速まっていくのを感じた。

「よいしょー!」

 最後は手伝いをかってでた女性たちや駅員も声を揃えた。その声はもはや歓声となって車内を震わせた。まさか、である。益田は、ますます落ち着きを失って隣の男子大学生と無意味に不安げな目線を通わせ、苦笑しあう。
 と。

「ぎゃ、ぎゃあぎゃあ!ぎゃあっぎゃあっ」

 新しい生き物の鳴き声である、これが、これが産声なのか、大きな大きなその声に、車内全体が大きなため息をつく。「おめでとうございます」「元気な赤ちゃんで」「おめでとう」「おかあさん、よくがんばったね」口々に言い合う取り巻きの声。
 終点に向かう車内アナウンスが響く。電車はこの異空間をものともせずに、ビルの中へ差し掛かっている。

「…っ、みなさん…ありがとう、ござい…ます」

 まだ呼吸も整わないうちに妊婦、いや、母親がかすれた声を発したのがわかった。電車の音や、赤ん坊の声に掻き消されそうになりながらも、消えない確かな声だった。慌ただしく産後の対応が始まる。駅員が抱えてきた荷物はどうやらそのためのものだったらしい。電車内にも関わらず、産湯の支度が整っていた。しかし、一方で電車はいよいよ駅に近づき、速度を少しずつ落としていく。無数のレールが入り交り、この車両同様にホームを目指す電車が視界をちらつく。ホームで待つ人々の影。
 いよいよ、車内アナウンスが到着を告げた。益田はまばたきをしながら、ぼんやりとその音声を聞く。

「ご乗車ありがとうございました。終点、にいしゅく、終点、にいしゅくでございます。NR線、都急線、玄武線、東都サブウェイはお乗換えです。電車がホームに止まるまで、お立ちにならないようお願いいたします。次は終点、にいしゅく、にいしゅく」

 益田は、本をずっと開きっぱなしで持っていたことに気がついた。しかも、最初に開いたページのままである。なんて長い一ページだ。益田は心の中で苦笑して、そのページに栞を挟んで本を閉じる。
 電車はいよいよ停車し、本を鞄に仕舞う間もなく扉が開いた。益田は慌てた様子で、しかし本が折れないよう丁寧に鞄に収めながら、ホームへ出ていく人の波にその体を滑り込ませる。いつも通りにその何でもない背広姿は、人混みに紛れて消えていった。



(終)

フィクション

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「通勤時間は読書に限る。益田は都心に向かう電車の中で、栞を挟んだページを開く―――」 平凡なサラリーマンの日常の一コマ。そこにあるひとつのお話。

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-06

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