野菊、他詩編
過去に僕の思った可愛い子よ
今は野菊の花となれ
君はもう老いた
そんな生活に喜びはないだろう
だから野菊の苗となれ
僕の可愛い思い人よ
季節になれば、花は咲き
その喜びを陽をいっぱいに浴びて
君は感じることができるだろう
君の季節はもう過ぎた
だから生まれ変わって
新しい花の種となれ
僕の可愛い思い人よ
可愛がっている生き物が死んだとき
悲しいと思うのはなぜだろう?
他の生き物が死んだとき
悲しいと思うのはなぜだろう?
散っていく花を見たとき
悲しいと思うのはなぜだろう?
それは僕らが人間だからだ
他の生き物の悲しみを知る生物だからだ
地球が死にかかっているときにも
僕らは悲しむ
その苦しみを知ろうと思う
僕らはこの星で生きてきて
たくさんの悲しみを知った、そうして
その分強くなった
頭上に広がる青空にも
悲しみの色が塗られている
悲しみの青が塗られている
今日も僕らは青空を見る
そうしてその間にある感情に触れてみる
悲しみはこの胸の内にもある
あっちにもこっちにも
それが全て解決したら
僕らは歓喜の歌を歌おう
僕らは喜びの歌おう
そうしてこの星で
永遠の生を感じていよう
美しい理性の後には
疲れた悩みが残る
昔は戻らない
どうあっても
昔のあの恋は戻らない
ならば疲れた理性でもって
昔の悩みを思い出そう
そよ風も小川の流れも冷たい
昔の恋には
昔のあの言葉がよく似合う
野菊、他詩編