妖の血族

山にて

ここは何処?

まだ年端も行かない男の子は一人泣きながら走っていた

友達と共に山に遊びに来たは良いが
途中で逸れてしまった

此処は村でも妖者が出ると名高い山で
決して行っては行けないと祖母にもキツく言われていた

だが仲の良かった近所の同い年位の男の子に
昼なら何も出やしないと誘われ安易な気持ちで入ったものの場所が分からなくなり
泣きながら走っているのである

今は夏で陽は延びたものの山が木で生い茂っていて
陽は其処まで差し込まない

そのうち階段が見えて来た

此処で帰れると思ったのだが
その階段は神社へと続く階段であった

もう走り疲れてヘトヘトだった為
少し神社で休んで行く事にした

呼吸は荒く今何処に居るかも分からない
自分はとんでもない所に来てしまったんでは
無いかそう思った

ゼェゼェ言ってた呼吸は次第に戻り普通に呼吸出来る
位まで回復した

呼吸は戻って自分の頭をフルに回転させて
今自分のいる所を一生懸命考えた
だがこんな所に神社が有るとは聞いた事も無し
ましてや少し寂れてる所からすると
神主も居ないようだ

脚が棒みたいになってもう走れない
そう思って泣きそうになっていると
人の気配がした

直ぐ背後から声がした
なんて透き通った声何だろう
歳もさほどいかぬ少年は思った

坊や何処から来たんだい?

背後を向くと其処には綺麗な女性が立っていた
今までの流れを説明して家に帰れないと告げると
その女性はその家まで
案内をしてくれると申し出た

女性と歩いていると全然出れなかった
場所が一瞬にして出られた

御礼をしたいと家まで来て貰おうと思い
女性に言うと女性は断った
次からは来てはダメだよと軽く叱るように
言うと女性は山の中へと消えて行った

恐る恐る家の戸口を開けると凄い剣幕で
母が立っていた

だが結構な剣幕をして居るのに母は
思っていたよりも軽く叱る程度で済んだ

妖の血族

妖の血族

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-04

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work