詩編
僕は思う
あの頃のつまらない思いで
帰って行った坂道を
僕は思う
風邪を引いたときに
夜のしじまを聞くときに
心臓がドキドキするのを
僕はどこからきて
どこへ行くのだろう
そんな不思議な問いも
今ある僕にはわからない
かつてはどんな難解な問いも
僕の眼には簡単に映ったのに
今では何もわからない
今では何もわからない
まるで子供に戻ったみたいだ
それでも僕は自分に問う
僕の人生の終わりがいつかるのかと
今日、僕は一人旅に出て
海の方へと寄ってみた
自然は泣いている
その大きな瞳で悲しんでいる
見上げれば遠い空
見渡せば青い海
誰かを悲しくさせるものなんて
この風景にはどこにも無い
自然は泣いている
その大きな瞳で苦しんでいる
あの遠くに見えるあの船
それに乗り、
僕は航海に出ようか?
海の向こうのあの国では
きっと僕を喜んで迎えてくれるだろう
何も僕たちを悲しくさせるものはないだろう
一人浜辺を歩きながら
ふと僕はそう思ったのだった
自然は泣いている
その大きな瞳で悲しんでいる
自然は泣いている
その大きな瞳で悲しんでいる
詩編