春色レポート-4- the final episode
-長いトンネルの先の光-
トンネルを潜れば当然出口が出てくる。だが、恋愛をトンネルに例えるとその出口にたどり着くまでの
時間は`運`なのではないだろうか。
-side yuzuki-
玲也は憐みたいになれるように頑張るって言ってるけど...私が好きなのは、憐を真似する玲也じゃなくて
玲也が好きなんだ。なのに...なんで憐みたいになる必要があるの?私に好かれようとしてるの?もう好きだよ?ねぇ...玲也..
あげくの果てには勝手に口が動いていた。
「なんで、玲也が憐みたいになれるように頑張るの?」
「それは...憐てやつみたいなすげーやつじゃないと、流愛がすぐ離れてくような気がして...」
私の昔の話を聞いて、憐がすごいと思う人は数少ないだろう。
「離れないよ。あたしが好きなのは、玲也で、憐じゃない」
「流愛...?」
いつもと違う私に驚いたのだろう。自分で分かるほどなんか性格が違うような気がしていた。
「玲也、強引かもだけど、さっき言った告白の返事...」
「あっ...あの付き合ってくれるってやつ?」
「うん..」
「もちろん、お願いします!」
好きだ..大好きだ。半年前、あの時間にあの廊下で歩いていたことが本当に奇跡だ。
憐が死んで、自分がもう人を好きになることないって思うくらいショックを受けてた。
だけど、そのショックを和らげてくれたのは他でもない。玲也だ。
「ありがとう、玲也」
自分でもよく意味がわからないけど、ありがとうって言ってた。でも、間違いじゃない気がする。
付き合ってくれたことにありがとうじゃなくて、今までずっと好きでいてくれてとか、色々詰め込んでのありがとうだと思う。
本当に...ありがとう。何回言っても足りない気がする。私に恋を教えてくれてありがとう。優しくしてくれてありがとう。
ずっと好きでいてくれてありがとう。...まだ、何個ものありがとうがある。伝えきれないほどある。
本当に..本当にありがとう。
--....
その約2年後。私たちは無事、大学へと入学した。
初めて大学の門を潜った時は満開の桜が迎えてくれた。
今になっては桜が好きではないが、苦手ではない。
「流愛、もうそろそろ桜好きになってよ。奇麗じゃん」
「分かってる。でも、桜より玲也の好きになるのも好きになるのが優先っ!」
「な-んか可愛いこと言ってくれんな。ついでに俺の好きなもの桜と...流愛」そう言って苦笑して頭を撫でられた。私は少し頬を赤らめた。
今になっては遠慮することもなく、逆に周りから[何でも素直に言えそうで羨ましい]
とかよく言われる。それに、玲也と付き合うようになってから、何故かしらと女友達も増えてきた。
毎日が楽しくてしかたがなかった高校生活だった。
大学生活..いや、今後ずっとこんな生活がおくれたら幸せだ。
どんな暗いトンネルでも玲也となら、明るく切り開いていけるだろう。
-END-
春色レポート-4- the final episode
初めまして。
このお話は、まだ経験したことのない高校生活に対しての自分の想像や理想を詰め込んで書いてみました。
皆さんの心にも響くような話でしたら光栄です。
最後までお読み頂きありがとうございました。