ひとり

 断定されない恐怖の中で
 私の脳が弾け飛ぶ
 波紋をひろげる憂鬱との干渉が
 孤独であるか、
 もう、ひとひの言葉遊びが苦痛になり
 喧騒の街へと歩き出してみると
 誰も知らないところでは
 不思議とひとりではないような
 気がした

 ああ、おまえたちが
 浮遊する景色と
 似合わないネオンが寄り添う頃には
 朝焼けの霧が浮かび
 星がうっすらと微笑し
 月は欠けて
 浅い紫色に輝いている

 私という個の存在が
 おまえたちに溶けて同化し
 一瞬の間、おまえになれる

ひとり

ひとり

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-04-27

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