見習い吸血鬼はご主人様⁉︎
作者です。今年新入社員として、とある会社に就職しました。ですが将来の夢だった仕事ではありません。そんな作者が夢だったラノベ作家目指して書いてみました!1箇所でも笑っていただけるところがあれば幸いです。
プロローグ〜第2章
プロローグ
「う…うぅん…」
日曜日の朝が来た。
カーテンの隙間からさしてくる日の光。
窓の外では小鳥の心地よいさえずり。少しずつ過ごしやすい気温になってきており、温かな日差しが冬の終わりを告げているようだ。そして隣では可愛いらしい巨乳の少女が猫のような寝息を立てて気持ち良さそうにしている。
…。
………ン?
時刻は午前5時半。いつもと変わらない質素な部屋に存在している不自然。
これはあれだな。夢に違いない。
はっはっはっ。俺としたことが寝ぼけているらしい。高校生にもなって夢の中でまで欲求不満解消に励んでいるらしい。煩悩万歳。とりあえず触ってみる。オッパイを。夢の中なんだからいいじゃない。だって人間だもの。
ムニュ❤︎ムニュムニュ❤︎
…。
最高だ。
その2つのお椀型のものの感触は夢というにはリアルすぎた。
「キャアァァァァ‼︎‼︎」
朝の静かな時間に鳴り響く平手の音。乾いた炸裂音が頭の中を蹂躙していた。
これが後に俺の命の恩人であり、はてまた吸血鬼である彼女との初会話だった。
第1章 運命の救命
俺の名前は東明龍誠。普通の高校生である。スポーツ万能、容姿端麗というわけでもない。産まれつき心臓が弱く、激しい運動などは医者から禁止されている。発作が起きると病院直行。莫大な金がかかってしまうため両親は共働き。そういうこともあり高校生になる際に1人暮らしを始めた。
新学期が始まる前の最後の日曜日。普通の人ならば期待と不安で胸が高鳴るであろう日。
なんだろうね。涙が出そうだ。居間には、今朝セクハラまがいのことをしてしまった少女と俺。
なんなのこの状況?とりあえず話かけてみるか。まぁさっきの件は俺にも非はあるしな。
「あの…さ…」
「あの、警察ですか?」
「止めて!話かけたとたんスマホの緊急連絡ボタン押して通報するのはヤメテ!それパスいらないやつじゃん!すぐに警察繋がっちゃうじゃん!」
「チッ…ガラケーのくせに知ってたか」
「違うよ⁉︎俺のはガラケーじゃないよ⁉︎ガラケーだとしてもなんで初対面の女の子がそんなこと知ってぇ」
「あっごめん、ガラクタの方ね。」
「ガラクタかよ!ガラパゴスじゃなかったよ!」
なんなのこの子。初対面の相手との会話でナチュラルに棘があるんだが。
「笑。」
「とりあえずお前誰だ?初対面だよな?」
こんな失礼な知り合いいたっけ?いたら絶対忘れるわけない。しかもこんなに可愛い子!あとオッパイ。
ジトー
「ん?」
どうしたんだろ。
「私はリリィ・ラ・ルロロナ・セレスティア。15歳よ。ワケあってこの部屋に居候させてもらうわ。…次胸見たら殺すから。」
勝手に居候が決まっていた。
しかも同い年だった。なんてこった。
「一緒に住むってマジかよ…胸は見てねぇよ!」
(胸は思っただけです\(^o^)/)
「思っただけでも殺すから。」
だからなんなのこの子!
完全に心を読まれている。正直怖い。
その時だった。なにかが体のなかで燃え上がった気がした。
「えっ…」
始めはは思いっきり内蔵を締め付けられた感じがした。耐えた。少しフラッとなったが今倒れるわけにはいかない。次に襲ってきたのは突然の出来事による呼吸困難。もう立つこともできなくなった。寒くないはずなのに震えが止まらない。
「ちょっと!あんた!」
寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い。
「あっ…がっハッ…」
駄目だ。呼吸困難のせいで酸素が足りない。意識が飛びそうだ。
死にたくない。願わずにはいられなかった。
死にたくない。別にやりたいことがあるわけではない。
死にたくない。生きていてもなんの価値もないかもしれない。
死にたくない。それでも願ってしまった。
生きたいと願ってしまった。
目の前に心が読める少女がいることを忘れて願ってしまった。
「タスケテ…」
意識が飛んだ。
「ごめんね…」
最後に耳元で聞こえた、なぜか彼女の謝る声。
首筋に感じる彼女の柔らかい唇、そして快感。なにかが体から抜けていく感じ。
朦朧とする意識の中、彼女の目だけが赤く紅く緋く揺らいでいた。
第2章 吸血鬼
目が覚めた。東明の部屋だ。カーテンが閉め切ってあり少し暗い。カーテンの隙間からはオレンジ色の光が射し込んでおり部屋を暖かく包み込んでいる。東明はいつのまにかベッドに寝かされており、その傍にはベッドに寄りかかりながら東明を見てる少女がいた。彼女リリィ・ラ・ルロロラ・セレスティアの眼は赤く充血していた。
「…あれ?なんで俺生きて…」
俺は突然起きた心臓発作で倒れたはずだ。
「あっ…アンタ!」
急にリリィが泣き出した。
「どうしました⁉︎お嬢さん⁉︎」
いかん。慌てて変な言葉使いになってしまった。
「ごめんなさい…私が中途半端な吸い方したばっかりにアンタを殺せなかった!」
「っ⁉︎なんで謝ってるの⁉︎てゆか中途半端でありがとう!」
彼女が何を言っているのか全く意味が分からなかった。中途半端って何?中途半端じゃないと死んでたの俺?
「マジメに聞いて…私は…理由はどうあれアンタを殺すために送りこまれたのよ?その相手にありがとう⁉︎
アンタバカじゃないの⁉︎」
「理由はどうあれ俺は助かったんだろ?んじゃ、ありがとうだ」ニコッ
それに彼女は俺を殺そうとしたときに曲がりなりにも《ごめん》と言っていた。どうしても俺はそんな彼女を疑えなかった。
「アンタは何も分かってない…あれされて生きてるってことは…アンタ…吸血鬼になったのよ‼︎」
「ハァ?…きゅ…吸血鬼?今吸血鬼って言ったか?何言っちゃってんのこの子?」
「…アンタ信じてないでしょ?」
信じられるわけがない。
吸血鬼。またの名をブァンパイア。日本ではあまり馴染みない、海外の伝説的怪物、化物、人外の生物、人間の敵。生命の根源である血を栄養源とし、必要とあらば同族ですら手にかける。日光や火、大蒜、十字架が苦手。
いままでの人生で映画やアニメで見た内容を一通り彼女に話してみた。
「…やっぱり。」
その言葉には彼女の呆れた色が見え隠れしていた。
「やっぱり?」
「半分正解で半分間違いよ。日光だってある程度は平気。私たちは人間よ。だから全員が全員大蒜が苦手なわけないじゃない!大好きよ!私の大好物はペペロンチーノよ!」
そこは重要なのだろうか?
「重要よ!」
彼女が心を読むのを忘れていた。
「あとこの子はやめて。私はリリィ・ラ・ルロロラ・セレスティアって名前がちゃんとあるんだから!リリィ様って呼びなさい!それとまず鏡見みなさいよ…外見から変わってるわよ?」
と言いながらリリィはゴツい鏡を胸の谷間から取り出した。
「なんですとぉっ!リリィ様!オラわくわくすっゾ!」
いろんな意味で。いろんなとこが元気になりそう。いろんな意味で。中学卒業して間もない。そういう厨二チックな展開にワクワクしないワケがなかった。さっそく確認してみなきゃな!
(こいつ本当にバカなの?死ねば良かったのに…)
鏡に映ったのは八重歯が少し伸びただけのいつもの俺だった。これはこれでカッコイイなっ!そんな俺をジト目で見る人影が一つ。
「ハァ…これだから同年代の男は…」
「ん?どうかしたか?///」キラキラ
(うぜぇ…)
「とりあえず私帰るわね。詳しくは後日どう流れても話すことになるからその時に」
「放置かよ!ちょっ…」
グルル…突然獣の呻き声のような音がした。
(汗汗汗汗汗汗汗汗汗)
「今日の晩飯ペペロンチーノにすっかぁなぁ〜」
チラッ
チラッチラッ
「…とりあえず晩飯食べてく?」
リリィ様はとても悔しそうにこう言った。
「…イタダキマス(棒)」
見習い吸血鬼はご主人様⁉︎
どうだったでしょうか。作者です。面白くなかったらすみません。閲覧数や評価がいいと続きも投稿します。仕事しながらなので遅くなるかもしれませんが、次回も読んでいただける方のために頑張ります!