普通《じゃない》寮

私の最初に考えたキャラでお話を書きました。
シリーズ物になるかと思うのでご了承ください。

彼女と彼と自己紹介

窓から春独特の暖かい風が舞い込んで来る。
そんな中、4人の男女が集まっていた。

「4月だねー!もう1年経ったんだよー!!」
そう片手をあげ、明るく話している彼女はリエル。この寮にはもう4年住んでいる。

「お前それ昨日も言ってたよな……。」
そうリエルにツッコむ彼はアストと言い、彼女と同じく4年前に此処に住み始めている。

「私は此処に来て2年目…早いねー…。」
マイペースにそんな事を言い出す彼女はセセラ。

「セセラは2年目だっけー!そっかー、でももう仲良しだよー。」
「……本当に馬鹿だよな…リエルは。」
「リエルの事を悪く言わないでください…。失礼だわ…。」

べちべちアストの事を叩きだしたセセリを微笑ましく見ているのはユノン。
セセリより数ヶ月早く此処にやって来たがセセリとは幼馴染で昔から仲が良い。

ここの寮にはその4人が住んでいる。寮といっても小さな所なので
シェアハウスと表現しても良いだろう。

午後になると大体は共同のリビングに自然と人が集まり、お喋りをはじめる。

「セリリが来た時自己紹介したねー!楽しかった!」
「僕はセリリのこと知ってたからほとんど僕が紹介したんだっけ。
セリリは人見知り発動してて喋らなかったしねー。」

人見知りが激しいセリリは昔、初めて会った時は一言も喋らなくて皆困っていた。

「そうだったな。ユノンが居てくれて良かったぜ。セリリが
喋らなくて凄い困ったからな。こっちは。」
「ご迷惑…おかけしました。……アストには言われたくないわ。」
「んだとこの女……。」
「あっ!ねぇねぇ!じゃあ改めて自己紹介しよー!!」

そんなリエルの発言で改めて自己紹介をする事になった。

「じゃー私からー!えーとリエルって言いますー?
アストとはー4年前から一緒に住んでてー仲良しです!」
「俺の事は言わんでいい!」
「うーと……よくアストに馬鹿ーって怒られますー?」
「まぁ……もうそんくらいでいいだろ。」
「えーじゃー次アストねー!」
「しゃーねーな…はいはい…」

そしてアストの自己紹介へ。

「えーと アストです。リエルの面倒見る係みたいなもんです。」
「優しーんだよー!」
「そりゃどーも。まぁ俺の親が此処を建てたんで今は俺が管理してます。
なんかわからん事があったり困ったりしたらなるべく伝えてくれ。以上!」

「アストは…リエル大好きだものね…」

そういいセリリはニコニコ笑っている。
「おま…変な事言うなよ!」
「えー私はアスト大好きだよー?」
「おまえは黙ってろ!!」

「はいはいーそこまで。次、セリリに移ろっかー」

そう言い聞かせ微笑みながらユノンがこの場を仕切ってくれた。
そのおかげでセリリは緊張せず自己紹介を始める事が出来た。

「セリリです…。アストいじるのが好き…。」
「……くそが…」
「ユノンとは幼なじみでいつも助けてもらってる…。
リエルちゃんは…妹みたいに…いや…わんちゃん……?」
「わんちゃん…??…犬!可愛いよねー!」
「ペット扱いかよ…くそ女…」

呆れるアストをよそにユノンとセリリはにこにこしている。
「セリリは女の子の友達居なかったから嬉しいんだよなー」
「うん…!あ、次ユノンだよ…!」

そして自己紹介は最後のユノンへまわってきた。
「はい、僕はユノンって言います。セリリとは幼なじみですー。
アストとは良い友達だよー。怒ると口調が変わるけど気にしないでねー」

「俺、怒られたことあるけど口調が変わる所じゃ無い気がすr……」
「アスト、言わないので…言っちゃいけないわ…」
ユノンは普段温厚だからかわからないが怒ると大変な事になる。

「ってやけにリエルが静かじゃないかい…?」
「ん、本当ね…どうしたのかな…。リエルー…?」
「お前ら、静かにしてろ。リエル寝てるんだよ。」

よく見るとリエルはアストの隣で静かに寝息を立てていた。

「あー…。俺、リエル部屋まで運んで来るわ。」
「え?あ、勿論お姫様抱っこ…だよね…?」

にやにやしながらセリリが聞く。アレスは、
「…そうじゃないと運べないからな。」
とリエルを抱えて部屋へ向かった。

「じゃあ僕たちもそろそろ終わりにするかい?」
「…そうだね。また明日、だね…?」

そして人気のなくなったリビングは、春風でカーテンが揺れていた。

普通《じゃない》寮

個人的にリエルが大好きです。←

少しでも楽しんでもらえたなら幸いです。
ありがとうございました。

普通《じゃない》寮

男女4人の寮(シェアハウス)でのお話。 恋愛も混じっています。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-04-26

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