人魚姫の恋
テスト投稿用の作品です。あらすじのみ。
美しい海に住んでいた人魚姫は、近くの小さな島に住む人間の少年に恋をしました。
人魚たちには人間に恋をしてはいけないという掟がありましたが、人魚姫はその掟を破り、
人間のフリをして少年と共に過ごすことを決意しました。
そして10年の月日が流れ、少年は人魚姫の恋心に、彼女が実は人間ではないことにも気付くことがなく、島から旅立っていきました。人魚姫も少年と共に行きたい気持ちは強く持っていたのですが、いくら人間のフリをしていても人魚は美しく澄んだ海のあるところでしか生きていけません。
必ず帰ってくるという少年の言葉を信じて、島で彼を待つことにしました。
それから更に10年の月日が流れます。その間、年を重ねるごとに少年の帰郷する日数は少なくなり、少年の就職が決まってからは人魚姫が会うことができるのは年に一度あるかないかといった程度になってしまいます。
それでも人魚姫は彼が島に帰ってくることを待っていました。しかし、彼女はそんな自分の願いが叶うことはないと知ってしまいます。
少年が同じ会社の同僚と結婚することになったのです。
人魚は人間と恋をしてはいけない。その掟があるからこそ、人魚姫は自分の気持ちを伝えることはせず、ただ少年を待ち続けたのです。
たとえ自分以外の誰と生涯を共にしてもいい。ただ、少年と知り合った、美しい海のあるこの島で、少年の傍にいたい。
そんな彼女の願いが叶うことは無くなったのです。
失意の彼女に、島で漁師をしている青年が声をかけます。青年は少年の幼馴染で、幼い頃から人魚姫に恋をしていました。
人魚姫も青年のことは憎からず想っており、二人は結婚することになりました。
しかし結婚式からしばらく経ったある日、青年は忽然と姿を消してしまいます。
それは、人魚姫の復讐。
人魚が人間と恋をしてはいけない理由。人魚と結ばれた人間は、人魚持つ呪いにより液状化して海に同化してしまうのです。
しかもその呪いは非常に強い伝染性を持って人から人へ次々と伝染してしまいます。
かくして呪いは島民全体に拡がり、次々と人のいなくなった島はやがて無人島となってしまいます。
そして人魚姫は少年にすべてを告白し海へと帰って行きました。
(完)
人魚姫の恋
お読みいただきありがとうございました。