冬が一通りの仕事を終え、休みに入る頃、春は夏が駆け足で抜き返そうとするのを「まあまあ」とおばあちゃんのようになだめてやってくる。春は身支度が下手なところがあって、とっくに来てもいい頃合なのにいつまでたっても来なかったりする。もう来ないのかと思って、知らんぷりでいるとちょこんと後ろで座っていたりする。困り者であったが、いつもどこかしらにその存在が、誰の胸にもある。そういうものですよね?

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-04-23

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