人と装置と
人が装置を動かしているとおもうのはまちがい
人が装置に触れているうちに
装置に人が合わせるようになる
装置は機械だから融通がきかない
でも人は何にでも順応性がある
装置がうまく動くよう
最大限にその能力を発揮するように
人が合わせる
まちがいが起こるのは
人と装置の立場が逆転するとき
人は装置の能力を引き出すように制御する
装置は人からの命令で定められた仕事をするだけ
これが逆転すると
人は定められた命令で仕事をするだけ
装置はその能力を最大限に発揮しようとする
そして暴走がはじまる
これまで何回も起こってきた
装置は機械のみならず軍隊のような人の集団もふくまれる
軍隊の命令は絶対服従なので兵士は機械の部品とみなされる
さらに企業や省庁や政府などの組織もおなじ原理でうごく
先の大戦の制御不能となった日本軍
原爆をふつうの人の住んでいる頭上に落とした米軍
福島原発で大量の放射能汚染を引き起こした電力会社
無理な運行で尼崎脱線事故を起こしたJR
これらすべて
人が起こした事件事故というより
機械となってしまった人間の暴走です
そうかんがえたほうがわかりやすい
そこには知恵のかけらもみあたらない
当事者は自らの非をみとめない
だから間違いはまた繰り返される
たぶん人がいったん機械になってしまったら
また人にもどるのがむつかしいのかもしれない
機械になりっぱなしになるんです
そのほうが考えてなくていいし楽だから
上からの指令だけきいてロボットのごとく振る舞う
知恵を封印した人間
人と装置と