近未来小説「 Neo Border - The near future -」
The near future <ワインとシャイニングキャンディー>013
そしてその日を迎えた。
Markが"Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)"の発生を知ったのは バスの中で乗客たちが"Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)"の話をしているのを聞いたからでした。
昼間移動中や、必要が無いときには出来るだけネットを遮断、守護妖精Noahも最低限の活動しかしていないからです。
あわててモバイルから"仮想地球(Globe of Virtual Reality)"にログインアクセスしましたが拒否。
サイトトップには女神が今起きている危険をささやき、あらゆる自己防衛策を即時行うよう促していました。
「Defcon 1 なんだ・・・」
[ Defcon ]とは デフコン。緊急防衛体制。5段階あり5は平常。1は緊急非常体制
すぐさまWilliam 、Johnたちに連絡を取ろうとしましたが、メールの送受信もスマホもアクセスしにくいため要領を得ません。
日が落ちるころやっと宿につき、回線を確保し特別なProxy経由でやっと、William、John、仮想国家議長や主要幹部と連絡が取れ、 事態の概要をつかんだときには、真夜中になっていました。
Markは、今は何の権限もないメンバーの一個人ですが、やはり創設者なのです。
「明日の朝一番でそちらに向かう」
と仮想国家議長に伝えると、少し間をおいてから暗号化されたファイルに 「今は動かないほうがいい。状況が把握できるまで一切のコンタクトは控える。
これはただのウイルスの域を超えている。もしかしたら君たちが最後の頼みの綱になるかもしれない・・・」
この内容から事の重大さがうかがえました。
何か大変なことが始まろうとしている。
彼の放浪はひとまず休止。
William、Johnと共に"Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)"の状況の確認と 情報収集をそれぞれのフィールドで行うことになりました。
近未来小説「 Neo Border - The near future -」