いじめ~変わらぬ差別~①
これは、私の実体験と空想を混ぜたストーリーです。
主人公の翠は、なんの理由もなく突然いじめられ始めました。
そんな、理不尽すぎるいじめに立ち向かい、自らクラスに馴染もうとする努力を話にしてみました。
駄作ではありますが、皆様の応援さえあればそれなりの作品ができると思っています。
この作品は、私の心の叫びでもありました。
今はもう解決していじめ。
でも、いじめられた方の心の傷は、『いじめられた』という名前で一生消えることなく、残り続けるのです–––––。
その事を、皆様におわかりいただけたらと思います。
突然の悲劇
私は、賑やかな生活なんて望んでなかった。
ただ、平穏で普通の、人並みの生活ができればそれでよかったのに────。
「玲香様~!」
「朝からうるさい。」
「玲香様っ、あいつどうします?今日も応えてませんけど。」
私は静川翠(しずかわみどり)。
クラスに馴染むことができなくて、毎日毎日ひとりぼっち。
そんな中で、クラスのリーダー格の金城玲香(きんじょうれいか)様が私に対して嫌がらせをしてくるもんで、私は学校に来ることが苦痛でしかなかった。
でも逃げる事はできない。
逃げたら、余計に酷くなりそうで怖かった–––––––。
本当はもう、心も体もボロボロなのに。
いつまでこんな生活が続くんだろう。
「そこ邪魔〜」
ドンッ–––––––
後ろから突き飛ばされ、私は勢いよく前に倒れた。
「…」
でも、こんなこといつものこと。
こんなくらいでビビってたら、毎日なんてやっていけない。
「あんた、バッカじゃないの?なんで学校とか来てんだよ。」
玲香様が笑いながら私を睨む。
そんなの、親に心配かけたくないし、逃げたくないからに決まってるでしょ!
––––––なんて言えるはずもなくて。
「なんとか言いなさいよっ!」
心ではいろいろ言っても、それを口に出すのは怖い。
「あー、イライラする。あんた、明日からこの学校に来ないでね。」
「えっ…」
「は?何?なんか文句あんの?」
バカにしたように私を見下ろす玲香様。
どうして–––––––。
なんで私ばっかりこんな目に会わなきゃいけないのっ…?
いじめられるのは、もう慣れてしまっていた。
毎年毎年、小学1年生の頃から毎日のようにいじめられてきた。
ひどい時は階段から突き飛ばされたりもした。
「うわっ、最悪。俺の腕腐るじゃん!」
そんなこと考えていると、たまたま当たった男子がボソッと言った。
「…ごめん…」
泣きそうだった。
腐るなんて…私はそんなに汚いの…?
家に帰ると、いつもの様に泣いた。
泣いて泣いて、涙も枯れた頃、お母さんが部屋にやって来た。
「翠〜?どーしたのー?」
ドアの向こうで心配そうなお母さんの声が聞こえる。
「な、何でもないよー!」
なるべく明るい声を心がけても、今はもう半泣き声しか出ない。
「––––––––翠、あんたいじめられてるの?」
「え…」
「毎年いじめられてきたから、今年もかと思ってたのよ。そしたら部屋で翠が泣いてる声が聞こえたから。」
「お母さんっ…うっうっ…」
あぁ、結局私は親に心配かけるんだ。
何もできない。
親に頼って、解決できる問題じゃないのは知ってる。
でももう、こんなことは嫌だった。
だから–––––––
「お母さんっ、助けてっ!」
ドアの鍵を開け叫んだ。
それを合図にしたようにお母さんは部屋に入ると、
「翠、お母さんに話してみなさい。どうしたの?」
お母さんの胸に飛び込み、再び泣いた。
「私って、そんなに汚いのかな。嫌われてるのかな。」
少し落ち着いてから、そう話し始めた。
腐ると言われたこと、学校に来るなと言われたこと、もう心も体も限界だということ。
全て、何から何まで全部話した。
その間は、お母さんは黙って聞いてくれていた。
「そんなの、翠は悪くないわ。」
お母さんはそう言ってくれるけど、じゃあどうしていじめられてるの?
私が何か悪いことしたからに決まってる。
だから、だからみんな私を––––––––。
胸が締め付けられるように苦しくなった。
私はただ、普通に暮らしたかっただけなのに。
その日から私は、
不登校になった。
––––––––続く––––––––
いじめ~変わらぬ差別~①
私はこの物語を書く中で、体験したいじめを思い出していました。
当時私は、自分に自信が持てず(今もですが笑)友達を信じることさえ出来ていませんでした。
この作品の本文の『クラスに馴染めないひとりぼっち』というのは、友達と言える友達がいなかった私が、ひとりぼっち同然だったからです。
親にも言いにくい。
友達もいない。
誰にも相談できない。
そんな苦しみを、いじめられている人は味わっているのです。
たった一人でもいい。
自分の苦しみを一緒に解決しようとしてくれる、『本当の友達』がいれば、
いじめは何も怖くない。
みなさん、どうか私からもお願いします。
いじめを見過ごすことも、いじめです。
見過ごさないで。
その人を助けてあげてください。
周りにいじめられている人がいるなら、そばに付き添ってあげてください。
『誰かがやるだろう』
そんなこと思わないで。
一人一人が勇気を出すことで、いじめは少しでもなくなります。
もう私と同じ目を、誰にも会わせたくない。
1人でも、笑顔で暮らせるように、みんなで協力しましょう。