私、君に恋したみたいです。②
はい!
『私、君に恋したみたいです。』
の第2話です!
前回のは第1話でした笑
次のページを開くかは、あなた次第です。
謎の美男子
ある程度の自己紹介も終わり、私は空いている席に案内される。
周りから『よろしく!』『やっほー♪』など色んな声がかけられるけど、私はクール。
あまり、ワイワイガヤガヤした輪の中には入らない。
「君、来たんだ。」
休み時間になると、例の美男子くんが私の横に来た。
どうやら、席が隣らしい。
さっきのHR(ホームルーム)の時間、遅刻したせいで廊下に立たされてて全然気づかなかった。
「あ、さっきの人?私は紫吹麗華。あなたは?」
「別に。名乗るほどでもないし。」
この人、なかなかクールだわ。
これから色んな意味でお世話になりそう–––––––。
「そう?クールな人って憧れるわ。自分の道を突き進むって感じで。」
「へー。君、クールな人好きなんだ。」
美男子君が笑顔を見せる。
ドキッ––––––––
え?なに、今の…?
心臓が、一瞬踊ったみたい。
私が美男子くんを見つめていると、
「な、なに?俺の顔なんかついてる?」
焦ったような、照れたような声で私をからかった。
そんな彼に、私は少し微笑んで
「目と鼻と眉毛と口と耳がついてる(笑)」
「なんだそれ(笑)」
よかった。
少し仲良くなれたかな。
「ところで名前は?」
さりげなく話を振ってみる。
すると––––––
「俺は木島透。」
「木島くん?か。」
「そ。よくある名前だろ、木島って。」
「そーなの?」
私は正直、田舎から来たもんで、木島とかじゃなく『佐藤』とかが一番多かった。
木島なんて、そうそうあったもんじゃないってくらい。
「そーいやお前、紫吹とか言ったよな。」
「え?そうよ?」
突然真面目な顔してそんなこと言うもんだから、私は驚いて目を見開いてしまう。
「じゃあ、椎崎先輩と椎名って奴知ってるだろ。」
「ん?椎崎和志先輩と椎名優里?」
「そう!そいつら、うちの学校にいるんだよ。しかも生徒会。」
「うっそ!」
私の親友『椎名優里』と、優里の彼氏『椎崎和志』先輩。
二人ともバカップルで、真面目なことなんて似合うはずもないただの天然バカだったのに––––––。
人って、案外さっさと変わるもんなんだね。
「とりあえず、生徒会室に案内してやっから、そこからは自分でなんとかしろよ。」
すたすたと歩き出す木島くん。
私はすぐに追いかけた。
もちろん、少し距離を取りながら。
(はぁー。一人で歩いてる寂しい奴じゃん、私)
第一印象がきになる。
たぶん今この廊下で私を見る人は、
『独りぼっちの子』
だと思うだろう。
でも、同じクラスじゃなきゃ別に構わない。
クラスに馴染めないとか、1年最悪だからね。
「ここ」
指差した所は、『生徒会室1』と書かれた看板が下がる一つの部屋。
私たちの教室から約5分くらいってとこか。
「あ、ねぇねぇ。木島くんはさ、何でそんなに私と普通に関わるの?」
普通転入生ともなれば、『どっから来たの!?』やら『友達なろー!』やらなんやかんやと聞かれるはず。
ましてや木島くんは、一番最初に知り合った人(校長と前島先生のを除いてね)。
そんな人が同じクラスにいるのに、なぜか普通すぎる。
逆に怖いくらいだわ。
「んー、別に転入生とか珍しいもんじゃねーし。俺自身、転入生だしな。」
「へぇ〜。まぁ、それならそれでいいけど。」
ってか、私木島くんに本性さらけ出しちゃってる。
クールになるって決めたはずが、三日坊主どころか1日も1時間も持たなかったよ…。
「俺さ、生徒会長の椎崎先輩のことあんま好めねーんだよな。」
「は?なんで?」
「いや、なんとなく。」
「椎崎先輩は優しいよ。優…椎名さんの彼氏さんだし。」
「え?まじ?」
木島くんは食いついたように私を見た。
…知らなかったんだね(笑)
私は仕方なく、うなずいた。
「まじかよー!みんなに知らせてやろう!」
「ダメ!あの二人が付き合ってること、本当は秘密なんだから。」
クールな性格のくせに、バカだしせっかちだし。
顔はいいのになぁ〜。
「木島!少しいいか?」
「あ、前島せんせ。」
木島くんは『じゃな!』と私に手を振ると、パタパタと先生の元へ駆けて行った。
「廊下は走るな。」
先生が木島くんを注意したのが聞こえた–––––––。
(緊張するな…)
2人に会うのは約3年ぶりか。
変わってるだろうな、2人とも。
私のことわかるかな。
コンコン––––––––
「はーい!」
中から元気な女性の声が聞こえる。
「優里〜!私、麗華!」
ドア越しに叫ぶと、直後に恥ずかしさが私を襲う。
こんな所で叫ぶなんて、私バカだ…。
「れ、麗華っ!?入って入って!!」
バタバタと足音がしたかと思うと、勢いよくドアが開けられ、中から女性が転がってきた。
「ったたた…。ほ、本当に麗華…??」
起き上がって私の顔をまじまじと見る女性。
優里だ。間違いない。
嬉しいことがあるほどその事実を疑う照れグセ、喜ぶべきことがあるとついドジになる焦りグセ。
こんなにもスペシャルに揃ってる人は、優里以外ほぼいない。
「木島くんに案内してもらったの。」
「木島くん?」
「そう。C組の木島透くん。」
「…C組に木島くんなんていないわよ?どの学年にも。」
「え…??」
そんなわけない…。
今まで話してたんだもん。
すると後ろから、
「もうバレちゃったんだ。」
「わぁっ!!」
慌てて振り向くと、ニッコリしてても目が笑っていない木島くんが立っていた––––––。
私、君に恋したみたいです。②
第2話、いかがでしたかー?
第1話、読んでくださった方が13人もいて、正直私驚いてます!笑
感想とか、教えてくださいよ?٩(ˊᗜˋ*)و
いやぁー、久しぶりの更新で、私も結構楽しかったです笑
次は第三話!
木島透は存在しない!?
ではあの美男子の正体は!?
次のお話で明らかに!