月記(途)
とある人物の月記より
「首尾」
0月
くらくて
せまくて
あたたかい
きらめく星につつまれ私はうく
未来に想いを
あかるくて
ひろくて
つめたい
白い部屋に僕はしずむ
過去に想いを
1月
僕は視界いっぱいに広がる光に包まれた
僕は視界いっぱいに広がる光に触れようとした
光は僕のモノにはならなかった
暗い所から引きずり出され
一番最初に覚えたことは
この世界で一番光り輝く温かい何かは
にぎることも
ふれることも
あじわうことも
できないことだった
でも、不思議と胸の中には
闇はなかった
僕は信じていたから
光り輝く温かい何かを
いつの日にか僕のモノにできると
その時の僕は信じて疑わなかったから
2月
彼は言った
死ぬな
とにかく死ぬな
彼女は言った
生きろ
とにかく生きろ
彼は言った
強くあれ
とにかく強くあれ
彼女は言った
優しくあれ
とにかく優しくあれ
彼は言った
迷うな
とにかく迷うな
彼女は言った
間違えるな
とにかく間違えるな
彼は言った
勝者になれ
とにかく勝者にあれ
彼女は言った
優秀でなれ
とにかく優秀であれ
彼と彼女は僕の世界の太陽だった
2月+α
彼は言った
僕は言い返した
言葉は散り散りになり土に還った
彼女は言った
僕は言い返した
言霊は死に絶え棺で眠りについた
彼は言った
だけど
もう聞こえない
彼女は言った
だけど
もう届かない
彼は声を枯らし叫んだ
だけど
もう聞こえない
彼女は声を涙で濡らした
だけど
もう届かない
彼と彼女は僕の世界の全てだった
月記(途)
意味がわからない!って思うかもしれませんw
ですが、読んだ方の中に爪痕を残せたら嬉しいです。