EVERY LOVE ?毎恋?
ごくごく普通の女子高生になりたかった。制服をだらしなく着こなしてるけど可愛くて、あとお化粧もちょっとして、彼氏もつくれたらいいし、そんな何処にでもいるJKになりたかった。こんなに目立つ存在になんてならなくて良かった。つらい思いなんかしたくなかった。でもそんな私を救ってくれた王子様がいた。今になっては、どうしてコイツなのか、と思ってしまうけれど。でも、コイツで良かった、とも思う。私の王子様はもの凄く不器用で、でもその中にも優しさがあって、とても可愛い人。彼の持っている冷血な瞳は私の全てを見透かしてしまう。ほんとに不思議な人。コイツと初めてあったのは、校門をくぐった瞬間からだった。こんな出会い方があるのかと思うほど単純な出会いだった。でも、この出会いがなければ私の人生は確実に変わっていた。そう、コイツが王子様になって私の人生を狂わせたんだ。
始まり
ごくごく普通の女子高生になりたかった。制服をだらしなく着こなしてるけど可愛くて、あとお化粧もちょっとして、彼氏もつくれたらいいし、そんな何処にでもいるJKになりたかった。こんなに目立つ存在になんてならなくて良かった。つらい思いなんかしたくなかった。でもそんな私を救ってくれた王子様がいた。今になっては、どうしてコイツなのか、と思ってしまうけれど。でも、コイツで良かった、とも思う。私の王子様はもの凄く不器用で、でもその中にも優しさがあって、とても可愛い人。彼の持っている冷血な瞳は私の全てを見透かしてしまう。ほんとに不思議な人。コイツと初めてあったのは、校門をくぐった瞬間からだった。こんな出会い方があるのかと思うほど単純な出会いだった。でも、この出会いがなければ私の人生は確実に変わっていた。そう、コイツが王子様になって私の人生を狂わせたんだ。
「莉等、入学式何時から?」
「プログラムには9時30からって書いてあるけど・・・って遅刻する!」
「あんまり慌てると、昨日の雨で滑るわよ。」
「大丈夫だって。あたし、運動神経いいんだから。そんじゃ、いってきます!!」
「もう、自分で運動神経良いっていっちゃって・・・気をつけていってらっしゃい。」
たわいのない会話を済ませ、家を飛び出た佐々木莉等(ささきりら)は、時計を見る。学校到着時刻は8時40分なのに、今の時間は8時20分。普通なら最低30分はかかる通学路を全速力で走っていく。
「今日は眞那との初登校記念の日だったはずが、目覚まし時計が壊れてたなんて・・・最悪!!」
そんな独り言を言いながら七々岡高校(ななおかこうこう)の校門というゴールに一人で向かっていた。
EVERY LOVE ?毎恋?