繋ぎ。

「ひとつでもいいから、出来ることを探しなさい・・・・。」

父はそう言って

仕事のことを語りだした。

今、どの位それが理解できたのだろうか?と

一息ついたパソコンの前で考えてみる。

「車の運転が、必要だから。」

父の時間を貰い練習を続けた日から幾月。

夜の青梅街道を走りながら

本日2本目の栄養ドリンクの蓋を開ける。

名前が載ったテロップを見た日

流れてゆく画面に呆然とした初夏の夕暮れ。

それは、墓標の代わりだと思い始めた布団の中。

ある日突然自分という存在が消されても

誰かの幸せの傍らに置いて欲しいと

意味を持ち始めた時

昔の自分が

黙って立ち上がる。

繋ぎ。

繋ぎ。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-31

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