繋ぎ。
「ひとつでもいいから、出来ることを探しなさい・・・・。」
父はそう言って
仕事のことを語りだした。
今、どの位それが理解できたのだろうか?と
一息ついたパソコンの前で考えてみる。
「車の運転が、必要だから。」
父の時間を貰い練習を続けた日から幾月。
夜の青梅街道を走りながら
本日2本目の栄養ドリンクの蓋を開ける。
名前が載ったテロップを見た日
流れてゆく画面に呆然とした初夏の夕暮れ。
それは、墓標の代わりだと思い始めた布団の中。
ある日突然自分という存在が消されても
誰かの幸せの傍らに置いて欲しいと
意味を持ち始めた時
昔の自分が
黙って立ち上がる。
繋ぎ。