寧ろ

 寧ろ、それは最期(さいしょ)の気息(こきゅう)
 あなたが含んだ微小の 何も咎めることのないような

 枝々で構成されている、草花の微睡が(見えないように
 
 微笑する者よ。 ひとりの
 知らないことが憂鬱で、私の内部(なか)のあなたが血液を裂いている
 
 寧ろ、それが最初(終わり)の産声
 私を含んだ大きな 万事(すべて)の循環を止めるような

 四肢で構築されている、死者の雫が(熟れないように

 微笑する者よ。ふたりの
 割れない音が情感に、あなたの外部(そと)の私が

 なんということもなく、孤影を描き
 寧ろ、そこが

 
 

寧ろ

寧ろ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-29

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