君の1番になりたくて
あの子ばっかり、ずるいよ。
もしもあの子がいなければ私が絶対に1番になれるのに。
お勉強も容姿も何より恋愛も。
そうしたら私が彼の1番になれるのに。
…◯◯ちゃんなんて消えちゃえばいいのに。
次の日、いつも通り学校に行きいつも通り先生が出席をとる。
あれ?おかしい…
◯◯ちゃんが呼ばれてない。
教室を見渡して席が足りない事に気付く
足りないのが当然かの様にみんなはいつも通りにしている。
休み時間、先生に聞いたけど◯◯ちゃんなんていないと言われた。
私がいなくなれって願ったから?
なんでもいい、これで私が1番になれる
現実はそんなに甘くはないらしい
◯◯ちゃん1人いなくなったところで私はどうやら1番にならないみたい。
お勉強が学年1番の隣の席のあの子。
スポーツ万能で明るくクラスのムードメーカーなあの子。
優しくてお金持ちのあの子。
アイドルみたいに可愛くて人気者のあの子。
1人1人、私の邪魔になるものを次々と消していく
最初は少し罪悪感があったけど人間慣れればなんとも思わないみたい
そして私はお勉強も容姿もスポーツもクラスの人気も1番になれた。
でも1つだけどんなに人を消しても1番になれないものがある
そう、彼の1番に…。
どんなに他が1番でも、ちっとも彼の1番にはなれない
なんで?何が足りないの??
そうだ、世界の人間を私と貴方だけにすればいいんだ。
そしてまた1人、また1人と消していく。
大好きな親友、尊敬出来る先輩、先生、ご近所の人も地球の裏側の人も
私を愛してくれてる家族も、みんなみんな…。
これで、彼の1番になれる筈だった。
でも彼は私に言った、君の1番にはなれないと。
そして彼は続ける、でも私の耳に彼の言葉は届かなかった
何を言ってるかわからない、どうして、なんでなの…
わからないわからないわからない。
もういいや…
彼のこと顔を見ていつもの様に言う。
"消えちゃえ"
そして少しづつ彼の体は消えていく。
自分が消されるというのに何故笑っていられるのかわからない。
私の目を真っ直ぐみて最期に彼は…
"君は僕の1番にはなれない、だって君は僕のただ唯一の特別な存在だから"
私は全てを知るのが遅かった
もうとっくに彼の1番、いやそれ以上だったのに
本当は勉強だってスポーツだって容姿だって1番じゃなくてもよかった
ただ彼が見てくれる、それだけのためにこだわり続けてただけ
でも今更何を言っても遅いんだ。
彼のいない世界でいくら1番だとしても意味がない
私も消えちゃえばいいんだ。
最後に残ったのは彼女が作りあげた空っぽな世界だけだった。
君の1番になりたくて
隣の芝は青くみえる的な、
他人の方が自分より全然優れてて嫉妬なんてことあると思います
現に私がそうですから…
人より優れていることが自信になって支えになってた
そんな女の子のお話しでした
最後はバッドエンドですが…
ていうか、彼もっと最初からいってやれよと
書き終わったあと私が思っちゃいました。笑
彼の弁護を兼ねて次は彼目線で書こうかなとおもってます。
。