病気

病気

君を愛したことを死ぬほど後悔している。


その日は久しぶりに彼女に会えるはずだった。
この日の為に仕事も残業してでも終わらせたし、
久しぶりのデートだったこともあり、彼女好みのレストランを予約したし、
彼女が欲しがっていたアクセサリーも準備した。
・・・なのに・・・。

『ごめん。仕事入った(;_;)
残念だけど、デートはまた今度ね。』

朝からこんなに悲しくなることはあるのだろうか…。

「最近お互い忙しく、ようやく会えるはずだったのにな…。」

我ながら女々しいセリフを吐いたことに苦笑しつつも、

『仕事なら仕方ないね(゜-゜)
休み決まったら連絡ちょうだい。
今度は俺が休み合わすからさ(^_^)』

使い慣れていない顔文字を入れて返信する。

ケータイを投げ捨てると、ソファに身を預けた。
しばらくして着替えをして外に出た。
せっかくの休みを寝て過ごすより、外で過ごそうと思ったからだ。

都内のセレクトショップで服を見ていると、
聞き覚えのある声が聞こえてきた。

―――彼女だった。

見知らぬ派手な男と仲睦ましく服を選んでいた。
彼女には兄も弟も居ない。
父親にしては若すぎる。
色々考えていると、彼女と目があった。
彼女はあからさまに動揺している。

―――僕は何も買わず急いで店を出た。

また、彼女の病気が出たらしい。

彼女は驚くほどの浮気性。
1回目は付き合って3ヶ月目くらい、
2回目はそれから2か月後。
それから数えきれない程浮気を繰り返した。
相手も様々。
上は40代のおっさんから下は大学生まで、様々な男に手を出した。

僕は彼女が浮気を繰り返す度、別れようとした。
でも、彼女は泣きながら詫びて、
『貴方しか本当に愛せない』と何度も言った。

泣き崩れる彼女を見て、
僕を愛していると言う彼女の言葉を何度も聞いて、
彼女を愛したことを後悔しながら、
それでも愛し続けている彼女を今度こそ信じようとして、
僕は何度も別れることを辞めた。

きっと今回も彼女は泣き崩れて、
一番は貴方だけだと吐き続けるだろう。
でも、今回ははっきりしなければならない。
今まで彼女と別れなかったのは自分自身が傷つきたくないだけだったのだと思う。

「♪♪♪~~~」

ケータイが鳴った。
彼女の名前が写っている。
彼女を愛したことを、
彼女を何度も許したことを、
後悔しながら、
僕は通話ボタンを押した。

病気

恋愛を書こうとすると絶対暗くなる気がします…。
多分、暗い話が好きだったりするのでそのせいかな~とも思います…。
でも、男の人目線で書いたのは初めてだったのですが、結構楽しかったので、またかけたら書きます…。
読んでいただき、ありがとうございます。

病気

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2015-03-24

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