MIND CIRCUS

MIND CIRCUS

「あの・・・Kさん・・・ですよね?」

新宿駅南口で柱に背中を預けて携帯ゲームをしている俺に制服姿の

女子高生が声をかけてきた

「君がカンナさん?はじめまして「MIND CIRCUS」のKです・・・じゃあ行こうか」

カンナは顔立ちはすごく整っておりまぁ正統派の美少女といえたが、いささか表情が

暗かった

最初の目的地は近くのホテルの一室だった

「まいどー、MIND CIRCUSの者ですー」

俺が明るくノックすると黒いスーツの男がドアを開けた

「どもども、お久しぶりですって先週お会いしましたよね・・・先生」

中にはニュースなんかでもよく見る大臣が座っていた

「さっさとやってもらおう」

「さいですね」

俺は緊張しているカンナを椅子に座らせた

「『脳記せよ』・・・」

俺はカンナの額に手をあて「仕事」を始めた・・・

Brain Control

「あの・・・博多に着いたら行きたい場所あるんですが・・・」

駅のトイレで私服に着替えたカンナがホームで缶ビールを飲んでる俺に恐る恐る言った

「ん?仕事が終わった後ならいいよ?どこ?」

「おばあちゃんがお店やってて・・・少しだけでも会いたいんですけど・・・」

「OK、どうせ組織からレンタカー渡されてるし連れて行ってあげる」

「すいません・・・」

カンナはそれきり博多まで自分からは何も話さなかった


博多から車で20分程の所にある立派なホテル、そこにカンナと俺は居た

「それじゃあ始めますか・・・」

カンナを座らせた椅子の反対側にはやはりスーツ姿の男達が居た

「『脳出せよ』カンナに命ずる「プロトコル」を「開放」せよ」

気を失い椅子から崩れそうになるカンナを受け止め椅子に押し戻す

「どうぞ、私は席外しますんで終わったら呼んで下さい」

俺は携帯電話を見せながら言った


1時間もした頃携帯電話が鳴って俺は部屋に戻った

「お疲れ様です、これは「先生」からの「お心付け」です、お納め下さい」

部屋にはスーツ姿の男が一人だけ残っており、そう言ってテーブルの上に分厚い封筒を置いた

「コレは?」

俺がまだ気を失っているカンナを指差して言うと男は含みのある笑いを浮かべた

「どうぞご自由に・・・部屋も明日の朝までご自由に・・・」

「そいつは嬉しいや・・・「全部忘れちゃった」」

「彼女も喜んでくれますかね?」

「もちろん「全部忘れる」位にね」

今回の仕事はそれだけ「重い」という事だった

カンナ

カンナの祖母のやっている商店は県境の町の雑貨やだった

俺は「ゆっくりしてきな」と言って一旦その町を離れ「今夜の仕込み」に向かった

夕方、修学旅行と偽る為に制服に着替えなおしたカンナを助手席に乗せて車を走らせていた

「最後におばあちゃんに会わせてくれてありがとうございました」

「最後?何の?」

「え?」

カンナが驚いた顔でこちらを見た

「え?・・・あぁ・・・そういう事ね・・・政治家の秘密知っちゃったから殺される・・・みたいな?

てか俺ヤクザかなんかに思われてたの?」

「え?あ・・・ゴメンナサイ・・・怖そうな格好してるし・・・」

「スカジャン着てるだけ・・・ってか悪人顔か?」

二人で笑った

「だから悲観的な顔してたわけか・・・俺は特殊な組織の人間だけどヤクザではないよ

まぁでも今日はあのホテルで一泊・・・まぁ俺はソファでいいか・・・」

まぁ多分「殺された方がある意味では幸せ」だとしてもウソは吐いてない

Brain Control ②

MIND CIRCUS

MIND CIRCUS

  • 小説
  • 掌編
  • 成人向け
  • 強い性的表現
  • 強い反社会的表現
更新日
登録日
2015-03-24

Copyrighted
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  1. MIND CIRCUS
  2. Brain Control
  3. カンナ
  4. Brain Control ②