近未来小説「 Neo Border - The near future -」
The near future <仮想地球とラグナロク>006
やがて"仮想地球(Globe of Virtual Reality)" は"GVR Revolution(GVR革命)"後ますます膨張していきました。
Markたちが引退し、自由度が高まったことや、<AI Freyaフレイヤ>への信頼から 多くの有能なメンバーがプロジェクトなどをどんどん提言し実行されていったこともありますが、 "地球の悲鳴"による世界的人心の不安から、希望をこの "仮想地球(Globe of Virtual Reality)" に求める人々が増え、 それにこたえたいと思うスキルを持った有能なメンバーも多くいることが相乗効果をもたらし、 人気が人気を呼びどんどんメンバーが増えていったのです。
しかし翌年、追い打ちをかけるように更なる悲劇"人類の悲鳴"が起きました。
後に"フィンブルの冬。剣の冬"と呼ばれます。
これは一部の過激な組織、団体や人心の不安、また情報インフラの浸透による格差への不満が地下ネットワークに拡大し、 グループ化されていった組織によって国家間の対立や地域紛争などが頻発しはじめた状態をいいます。
この争乱により特に発展途上国の多くの非戦闘員の人命が失われていきましたが、 この時点においては治安が確立されている先進国などには未だ"対岸の火事"の風潮が根強く存在し、 火の粉を払いはしますが、積極的に火事を消すことには及び腰だったのです。
もちろんそうせざる負えない事情がこの時代にはあったにしても世界がつながっていることは忘れないでほしかった。
第2の試練"人類の悲鳴"がおき始めると、"仮想地球(Globe of Virtual Reality)"の大きなテーマである 「こんな国だったらみんなが幸せに生活できる社会ができると思う」のコピーでの交流が改めて活発化していきました。
さらに数か月後、NGO(非政府組織)などの調査での、驚愕の失われた人命数が集計、公表されてから ますます世界規模で抗議運動がおこり、それが議論の中心となり、 コミュニティ内のいくつかの正論を呈している仮想国家が大規模化していきました。
そんな中、有効な対策をこうじられないしがらみに満ちた現実の国家や国際連合に痺れをきらした人たちによって、 "仮想地球(Globe of Virtual Reality)" 上のこのバーチャルな空間に、仮想の国際連合が創設されました。
そして、スキルのある仮想の国家が現状に対する不満の受け皿の役目も担うようになります。
ただ、注意しなければならないのは往々にしてこうした集合体は暴徒化する可能性をもちますが、 最高責任者の<AI Freyaフレイヤ>は秩序を守り、たとえ正義を振りかざしても、現行各種法規に反する場合は正当に対応していきました。
これが、Markたちが積極的に<AI Freyaフレイヤ> を頂に要した理由でもあります。
それでもやがて "仮想地球(Globe of Virtual Reality)" の仮想の国際連合は規模をまし、 現実の国家や国際連合の利権などにどんどん絡みはじめます。
仮想の国際連合の国創りの理想が、現実の国家の悪しき部分の是正を提言を行ったり、 あらゆる紛争の解決を求めはじめ、しがらみだらけの現実の各国家を追い詰めはじめることになったのです。
今や
現実の各国家にとって "仮想地球(Globe of Virtual Reality)" はネット上の諸刃の剣の存在となりました。
「"(パリの)コーヒーハウス"の二の舞になるわけにはいかない」
そして世界中の現実の各国家の各国既得権利者にとって大きな脅威であると全会一致で可決されたとき、事態は急変することになります。
近未来小説「 Neo Border - The near future -」