近未来小説「 Neo Border - The near future -」
The near future <仮想地球とラグナロク>003
やがて "仮想地球(Globe of Virtual Reality)" はバージョンアップを重ねるごとに一般の人たちにも広まり、 Version3.0 がメディアに紹介されてからは一気にMassive Hit(大きなヒット)に。
Version4.0 では、仮想地球内に仮想の国家がいくつもでき、その参加者数はSNSの中でもトップ3に入るほどになります。
Version5.0では経済や金融と直接提携するようになり、現実の国家に影響を与えるほどの一大勢力となって、 やがてベータ版として "仮想地球(Globe of Virtual Reality)" が構築されてからわずか数年で、世界を席巻するコミュニティとなりました。
"仮想地球(Globe of Virtual Reality)" はバージョンを上げるごとに膨大なエネルギーを必要とするようになったため、 成長過程で世界のトップ10企業に名を連ねる"ASG"というグローバルセキュリティ企業の関連企業や、 公式、非公式で、あらゆる団体、組織などのサポートを得るようになります。
やがてMarkが大学を卒業した次の年には北欧神話からなぞられ命名された人工知能 <AI Freyaフレイヤ> が 最高責任者に抜擢され、民間コミュニティで初めて管理を任された人工知能として世界中のメディアが賛否両論の中、就任しました。
その直後、人間の知能だけでは得られなかったであろう頑丈なセキュリティを敷いた防壁を築くことで、 個人情報などの厳格な保護がはじまったことは、Markたちを含めて世界中を驚かせました。
Mark
「やっと一段落したなぁ。ちょっと南の島にでも行くことにするよ。しばらく音信不通になるよ」
John
「でももう少し礎を固めるのが遅かったら、この巨木の根までは守りきれなかった。 それに実際<AI Freyaフレイヤ>のフォローが無ければ難しかったはずだ。」
William
「過去の多くの企業や、国が犯した過ちを繰り返すほど俺たちはおろかじゃない。まあ、そのかわり、多くの時間と費用、酒代が代償となったがな」
Mark
「まぁいいさ、これが俺たちのプライドだから。そうだろ」
Markたちの達成感を見届けるように、その数ヵ月後の6月の終わり、 突然、 "仮想地球(Globe of Virtual Reality)" の緊急最高理事会議を Independence Day(独立記念日)に行うことが幹部会議の中で採決されました
近未来小説「 Neo Border - The near future -」