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開かれてから幾世紀
放されてから幾星霜
ここに生まれて幾年
たったこれだけの扉の鍵
拾ってくれたのは謝辞させる間も無く去る猿
水溜まりに潜む空みたいな黒の霧に視界を取られ
ガソリンの劈く魅惑に脳を焼かれる人々を尻目に
電子回路が今も僕たちを取り囲んでいる

開かれてから幾世紀
話されてから幾星霜
与えられた時間を与えられた時間を与えられた時間を
終末論の駄々こねに対する聞く耳はとっかえひっかえに
腐って朽ちて崩れて落ちて明後日明々後日
そのうち閉じる
その日が来る

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ありがとうございました。

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-18

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