昨日あなたの夢を見た

きっとこれから先
好きな人ができたとしても
あなたをこえる誰かになんて
会うことはないだろう


あの日あの時って後悔ばかり
目があったとき微笑むことができたら
自分に素直になっていたら
愛される努力をしていたら
あなたに嫌われずにすんだかな

あなたに沢山酷いことをした
振り向いてもらえないから
いつまでも消えない傷を
つけようと必死になった
初めてがあなたじゃなかったら
もっとうまくやれたかな


散々あなたを困らせたのに
最後まで優しくしてくれてありがとう
あの日階段で賭けをしたの
あなたが立ち止まってくれたなら
あなたに恋をしたこと
間違いはなかったって
初めて綺麗な涙を流せる気がしたから


目が合えばまた逸らして
校舎の窓からあなたを探して
すれ違うタイミングを計算して
自分でも気持ち悪いくらい
あなたが好きになっていたの


あなたの好きな人は私の友達で
あなたの彼女はとても可愛い人で
私には生まれ変わっても届かない
ずっとあなただけ見てきたのにな


本当はあなたに褒められたくて
勉強を頑張っていたこと
今ここにいること
今ではもうなんの意味も持たない
あなたが生きる意味だったこと
気がつくのが遅すぎた


あなたの横顔も匂いも走る姿も笑う声も
何一つ消えないのは
覚悟もないまま
好きになった私への罰
好きだって気持ちだけじゃ
叶わないものだってある
やっと気づくの

きっとこれから先
好きな人ができたとしても
あなたをこえる誰かになんて
会うことはないだろう
だってあなたが大好きだったから

昨日あなたの夢を見た

昨日あなたの夢を見た

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-17

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