monologue 3

 副題は、『陰湿な方法を勧める駄目な大人』。

 もう10年以上前になると思うのだが、ある女の子向けのファッション誌(というか、いわゆるティーン誌?)を読むことがあって、そこに書かれていたことに呆れてしまったのだった。

 春に出た号だったので新入学特集が組まれていたのだが、そこに載っていたのが何と、自分がクラスから浮かないようにするために、他の誰かをいじめよう、みたいな内容。

 以下、うろ覚えながら、もうちょっとくわしく言うと、以下のような内容を勧めていた。

1.入学当初は猫をかぶって、ぼろを出すな。
2.そのうち同級生の誰かがぽろっと他人の反発を買うような(/嫌われるような)ことをするから、そうなったらみんなと一緒にその子を攻撃しろ。
3.これであなたはもう安心(/安全)。あとは学校生活を楽しもう。

 みたいな内容で、しかも1をやっていると当然、ストレスがたまってくるのだが、それを学校で爆発させると自分が危ないから、学校では我慢して、たまったストレスは家で家族相手に発散しよう、みたいな注意書きまで付いていたと記憶している。

 これは手口というものによくあるパターンで、それ自体が陰湿で陰険なやり口なのだけど、ほかの者にそれをやられたら自分が危ないから先にやってしまえというやつで、(ある程度の数の人間が)そういう心持ちでいる限り、ぎすぎすした嫌な感じの学校生活にしかなりえない。

 ずいぶんと先の無い(=よい未来、ちゃんとした明るい未来の無い)、陰湿な方法を勧めるものだなあと読んだ当時、呆れたのだけれど、ひょっとしたらそれを<ちゃんとした、役に立つ、いい方法>なんて思ったまま大人になっている人もいるかと思い、それはそれでまずいのでは? とも感じて、一応、書いておくことに。
 (子どもに同じ方法を勧めてたりしたら大変だし、ね)。

monologue 3

monologue 3

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-16

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