游悠

たった一人の精神安定剤
それが君だよ
僕は今幻想の世界で
悪夢を見ている
早くこんな世界から
連れだしてよ

大丈夫?
なんてきかないで
心臓がうるさくて
握りつぶしてしまいたい
そんなこんな気持ちになりそうだから

気づいて欲しかっただけ
君のタイプの女の子の話なんて聞きたくなかった
あぁもうどうでもいいけど
君がつける
その香りが好き
横顔とか
少し悲しそうなその目とか
たまらなく愛しい
だいすきだよ

君といるときは
でまかせばかり
大きな声で喋ってしまう
話す内容は通常の2.5倍
うるさい胸の音
それくらいの副作用は
承知のうえだよ

君のおかげで
僕は僕のことを
嫌いにならなくて
すんだんだ
君のことを好きな
僕が好きだったから
君に褒められてみたくて
嫌なことも
乗り越えてきたんだ


君がいなくなったこの世界
色が消えた
髪を引きちぎっては
涙に暮れて
雷が落ちても
気づけないくらい
僕はどうにかなっちゃった
君がほしい
君がほしい
ただそれだけ

僕のものになんかならない
君がほしい

僕のことが嫌いな
そんな君がほしい

君がいれば僕は頑張れる
一番だって取れるよ
証明済みだよ
だから君をください
早くしてよ
門の外で待ってるから
なんて急かさないから
早く

ある人は言うんだ
これが幻想だって
そんなのは嘘だって
笑ってやったのさ
君は僕の心を
穏やかにしてくれるはずだよ
だって今もここにいるよ


なんでまた消えるの?
ならば僕だって
消えちゃうよ
見ててよ
いちにのさんで
ほら僕にだってできるよ
すごいでしょう?
最後の最後にも
君は褒めてくれないのね


僕の導き出した答えは
君のことが嫌いだって
そういうこと
嘘つきの笑顔を君にあげるよ

游悠

游悠

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-15

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