あなたのこと

きっとそうだってわかってる
わかりたくないほどに
本当は知っている
一番になれるって信じてた
今だってずっと

なんでこんなに
苦しくなるのかな
そういう運命なんだよって
誰かが呟いた
もしも運命だったとしても
仕方がないと思えない

あの春あなたの笑顔を消したのはたしかに私だった
きっと全部私が悪い
嫌でも嫌と言えなかった
嫌われるのが怖かったの
一番になれると信じていたかったの

綺麗な君の少し気の強いところ
ほんとはね
そんなに嫌いじゃなかった


ほんとはね
大好きだった
だから悔しかった
わかってくれると思った
失ってから涙がこぼれ落ちる

いつからか歪んだ正義感
そんなものいらなかったのに
あと少しの我慢だったのに
限界になるまで
息を止めてみたから
弾けて消えてしまったのね

あれから半年が過ぎて
世間は慌ただしく
師走を駆け抜ける
今もまだ馴染めないまま
きっと私に一番なんて
求める資格もなかった

あなたのこと

あなたのこと

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-15

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