にんじん

人参を頑張って
食べる君が
いつもより少し遠くなる

誰に茶化されたって
私の気持ちに嘘はない
わからないって
笑って答えるけれど
本当は君と目があった時から
答えは一つなんだ

僕はチキンだからって
君はニワトリじゃないでしょ
あと言っとくけれど
ニワトリも君もはそんなに臆病者じゃないんだよ
僕はニワトリが好きだよ
だって人参の味を消してくれるから
そんなに綺麗に笑うと
怒れなくなるじゃない

なにじんですか?
にんじんです
そう答えると
君は笑って嫌いって言うの
嘘でも嫌わないでって
顔を手で覆ってみせた
嘘泣きなのに
君は本気にしてたよね

人参はうさぎが食べるものだよって真面目顔をする
そんな君が好きだよ
僕が君のうさぎになれたら
君を守れるかな


二時のおやつは人参です
君が笑ってくれたから
西の空に虹でも出るかな?
虹の歌みたいな
二人になりたいな
涙で君が滲んでゆく

にんじん

にんじん

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-15

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